出生率が世界最下位の国で…韓国の「ノーキッズゾーン」論争を海外メディアが懸念

Record Korea    2023年5月23日(火) 21時0分

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21日、韓国・釜山日報は「子どもの立ち入りを禁止する店や施設、いわゆる『ノーキッズゾーン』をめぐる論争を米国の二大日刊紙が大々的に報道した」と伝えた。写真は韓国。

2023年5月21日、韓国・釜山日報は「子どもの立ち入りを禁止する店や施設、いわゆる『ノーキッズゾーン』を巡る韓国の論争を米国の二大日刊紙が大々的に報道した」と伝えた。

今月4日、基本所得党のヨン・ヘイン議員が生後23カ月の息子を抱いて国会で記者会見を開き、公共の場への子どもの同伴を制限する「ノーキッズゾーン」を禁じ、子ども同伴家族が博物館や美術館などに優先的に入場できる「こどもファスト・トラック制度」を導入することを誓った。

米紙ワシントン・ポスト(WP)とニューヨーク・タイムズ(NYT)はそれぞれ12日と16日に、韓国で激しい論争を呼んでいるノーキッズゾーン問題に関する分析記事を掲載。ヨン議員の記者会見やノーキッズゾーンを規制しようという済州道議会の動きを報じた。済州の場合、韓国を代表する観光地にもかかわらず、島内に約500のノーキッズゾーンがあるという。ソウルでも民間の店や施設だけでなく、公共施設である国立中央図書館が満16歳以下は利用できないノーキッズゾーンだと伝えている。

ポートランド州立大学のウ・ヘヨン社会学教授は、「10年前から飲食店で親がおむつを置いていく、子どもが走り回って遊ぶのを放置するといった不適切な行動がSNSで拡散され、韓国内にノーキッズゾーンが発生した」とWPに話した。両紙は「子どもの入店を禁じることは店主の権利だという見方も存在している」「子どもの入店禁止は、子どものけが予防と店の財産被害予防という目的もある」と伝えている。

一方で、「年齢により公共の場所への立ち入りを制限することは明白な人権侵害だとの見解もある」として、識者のコメントを紹介している。ラトガーズ大学のジョン・ウォール教授は「飲食店で大声を上げる酔っ払いの成人は、泣いている乳児よりずっと迷惑だ」「ノーキッズゾーンは子どもを二級市民とみなし、社会に不適合な存在だというメッセージを伝えるものだ」と指摘しているという。

また両紙は、ノーキッズゾーン問題は韓国だけで起きているのではないとも伝えている。日本航空やマレーシア航空などの航空会社は、乗客が子どもから離れた座席を選択できるオプションを設けている。英国のステラ・クリーシー下院議員は、21年にヨン議員のように赤ちゃんを連れて登院し非難を受けた。

その上で「22年現在、合計特殊出生率が0.78人で世界最下位を記録した韓国におけるノーキッズゾーン論争は、他国よりもっと特別なものだ」と指摘。このような状況でノーキッズゾーンを設けているのは、むしろ韓国の出生率を更に下げる要因になりかねないと懸念している。

この記事に、韓国のネットユーザーからは「厳密に言うと、子どもを拒否してるんじゃなく、子どもが他人に迷惑をかけようがおしゃべりやスマホに夢中だったり、子どもを盾にして無茶な要求をしたりする、非常識な親を拒否するノー非常識親ゾーンだ。子どもには罪はない」「子ども嫌悪から生まれたわけではない」「親が親としてすべきことをしないからだ」「子どもが悪いことをしても、親が『すみません』とひと言謝ってくれたら、『いいんですよ』と流すことができる。なのに、逆ギレしたり店に責任をなすりつけるような非常識な親に自営業者が迷惑することが多いから、こういうことになった」「飲食店で入り回っていた子どもが、料理を運んでいた従業員にぶつかった。当然、子どもはやけどして、親は飲食店を相手に損害賠償請求を行った。判事は親に軍配を上げた。ノーキッズゾーンはこのあたりから始まった」など、「ノーキッズゾーンは子どもじゃなく親のせいで生まれた」とのコメントが殺到している。

また、「子どもを連れて外出するなら、子どもから目を離すなよ。自分の子は自分の責任だ」「迷惑な親を処罰する法律でも作ってほしいよ」といった声も見られた。(翻訳・編集/麻江)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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