焦点:ハト派投資家、米FOMCで失望か=著名ストラテジスト

焦点:今回FOMC、ハト派投資家は失望の恐れ=ストラテジスト
3月19日、米金融政策に関してハト派的な見方をしている投資家は、20日までの連邦公開市場委員会(FOMC)の結果に失望することになるとともに、予想される世界的な市場の動揺へのヘッジが必要だ──。ワシントンの米連邦準備理事会(FRB)本部で撮影(2019年 ロイター/Leah Millis)
Michael Connor
[ニューヨーク 19日 ロイター] - 米金融政策に関してハト派的な見方をしている投資家は、20日までの連邦公開市場委員会(FOMC)の結果に失望することになるとともに、予想される世界的な市場の動揺へのヘッジが必要だ──。ウィーデンのデリバティブ・ストラテジスト、マイケル・パーブス氏は19日、ロイターの取材にこうした見方を示した。
パーブス氏は、政策金利を巡る米連邦準備理事会(FRB)当局者と市場の見通しには異例なほどの開きがあると指摘。FRBが近く利下げや資産買い入れを再開すると期待している投資家にとって、この開きが損失につながる最大級のリスクをはらんでいるとの見方を示した。
同氏との一問一答は以下の通り。
─20日のFOMC終了後にFRBからどんなメッセージが出てくるとみているか。
「FRBが政策金利見通しを引き下げ、バランスシート政策の面で市場を安心させる何らかの言葉を発するというわれわれの見方に異論は乏しい。ただ私が疑問を持っているのは、(メッセージが)タカ派寄りかハト派寄りかという点だ。(たとえ)FRBが年内利上げの想定を昨年12月時点の2回からゼロにしても、依然として今の市場の金利観よりもタカ派的だろう。正味ベースでハト派のメッセージを送るには、FRBが想定利上げをゼロにした上で、さらにバランスシート政策の面で(緩和方向の)強い言葉を付け加えなければならない。それはかなりハードルが高いように見受けられる」
─なぜFRBがタカ派方向のサプライズを起こすと考えるのか。
「1つの重要な要素は、FRBの方針転換だ。それによって第4・四半期にVIXを通じて確認された市場のストレスは和らぎ、クレジットスプレッドは拡大から縮小に転じた。さらに12月の暗黒の日々からコモディティ価格は相当上昇している。だから10年国債利回りに目を向けるなら、過去数カ月にわたる利回り低下基調は、物価動向など他の要因を無視して、ひたすら利上げ期待がもたらしていたのだと分かる。もう1つの要素は外国の国債利回り低下だ」
─足元2.60%の米10年債利回りは、普通であればどの水準に向かうのか。
「あっさりと2.80%を超える可能性があり、恐らく3.0%を目指してもおかしくない」
─投資家はどうすべきか。
「20日のタカ派的なメッセージに悪影響を受けやすい資産クラスのヘッジ商品を買わなければならない。例えば新興国市場、コモディティー、あるいは市場全般でさえも(ヘッジの対象)だ」
─20日に投資家が注目すべき市場は。
「フェデラルファンド(FF)とユーロドルは非常に変動が激しく、地合いが極端に強まったり弱まったりするので、20日も荒れる可能性がある。独10年国債からも目を離すべきではない。今は極めて利回りが低い。また新興国資産をどう取引するかに留意すべきだ。これらの資産はタカ派的なFOMCの結果に悪戦苦闘するかもしれない」

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