アングル:ポンペオ米国務長官、上院選出馬の是非で板挟みに

アングル:ポンペオ米国務長官、上院選出馬の有無で板挟みに
8月22日、ポンペオ米国務長官(写真9が来年の上院選出馬の有無を巡り板挟みになっている。ニューヨークの国連本部で20日撮影(2019年 ロイター/Lucas Jackson)
[ワシントン 22日 ロイター] - ポンペオ米国務長官が来年の上院選出馬の有無を巡り板挟みになっている。議会で過半数議席を確保したい共和党が出馬要請を強める一方、最も信頼する側近の1人としてトランプ米大統領が政権に留まるよう求めているためだ。
共和党上院トップのマコネル院内総務や上院の共和党議員は、カンザス州選出の下院議員を務めたポンペオ氏が上院選出馬を決断すれば有力な候補になると確信している。
米商業会議所のシニア政治ストラテジスト、スコット・リード氏は「ポンペオ氏なら勝てて、共和党が引き続き上院で過半数を握るのを確実にするだろう」と話す。
しかし事情に詳しい複数の関係者によると、ポンペオ氏が世界中のさまざまな課題への対処で策略を巡らせていることから、トランプ氏はますますポンペオ氏に頼るようになっており、ポンペオ氏残留を求めるだろうという。
ホワイトハウスに近い関係筋によると、ポンペオ氏はトランプ氏と上院選出馬問題について意見を交わした。この関係筋は「大統領は上院で(共和党の)議席数を増やしたいと望んでいるが、ポンペオ氏は失いたくない。ポンペオ氏はおそらくトランプ氏が最も信頼する側近の1人だ」と述べた。
55歳のポンペオ氏はトランプ氏に同調してイランや北朝鮮、ベネズエラ、中東の問題で積極的に動いて見せ、トランプ氏は国務長官をティラーソン氏からポンペオ氏に変えたのは大成功だったと考えている。
共和党の選挙対策幹部は「ホワイトハウス内にはこの問題を片付けようとする圧力がある程度存在していると思う。しかし大統領はポンペオ氏に残ってもらいたがっている」と述べた。
ある共和党幹部は、ポンペオ氏が9月2日までのレーバーデー連休にかけて出馬か否かを判断するとの期待がある程度持てると述べた。
しかしポンペオ氏の考えに詳しい筋は、こうした観測を否定した。
別の幹部によると、共和党の指名を受けるための手続きの締切は来年6月なので、ポンペオ氏は特段の圧力は受けていないという。
ポンペオ氏のスポークスマンはこれまでのところコメント要請に応じていない。
カンザス州選出の上院議員を務める共和党のパット・ロバーツ氏は来年出馬しないことを決めている。共和党のマコネル院内総務らはポンペオ氏ならばカンザス州で共和党の議席を守ることができると考えている。
クリス・コバチ前カンザス州務長官も上院選への出馬を表明しているが、マコネル氏らはポンペオ氏の方が当選の確率が高いとみている。
上院共和党は現職のアリゾナ州選出のマーサ・マクサリー議員とコロラド州選出のコリー・ガードナー議員に支持低迷の兆しがある。来年の上院選は党として苦戦しかねないと懸念される中で、カンザス州での勝利を確実にして議席過半数の維持の可能性を高めたいと望んでいる。
ポンペオ氏はこれまで上院選出馬の有無について異なるメッセージを発している。21日のワシントン・エグザミナー紙のインタビューでは国務長官に残ると述べた。しかし、来年の上院選ばかりか、2024年の大統領選に向けてさえ、選択肢を保留しているのは明らかだ。
(Steve Holland記者、Lesley Wroughton記者)

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