アングル:トランプ氏、就任後の株価上昇率10%割れ それでも「いずれ急反発」

焦点:トランプ氏、就任後の株価上昇率10%割れ それでも「いずれ急反発」
 トランプ米大統領(写真)は過去3年間、大幅な株高を自分の実績と誇示してきたが、過去3週間の株価急落で上昇分の大半が吹き飛んだ。ホワイトハウスで11日撮影(2020年 ロイター/Tom Brenner)
[12日 ロイター] - トランプ米大統領は過去3年間、大幅な株高を自分の実績と誇示してきたが、過去3週間の株価急落で上昇分の大半が吹き飛んだ。
S&P総合500種指数は2月19日に最高値を更新。2016年11月の大統領選でトランプ氏が予想外の勝利を収めて以降、同指数の上昇率は58%に達していた。
だがその後、新型コロナウイルスの感染拡大で米国株は暴落。12日時点の上昇率はわずか17%に縮小した。オバマ前大統領の下では同時期に41%値上がりを記録していた。
2017年1月20日のトランプ大統領就任以降の株価上昇率は10%を切った。オバマ大統領の1期目では同時期に70%の株価上昇を記録していた。
ツイッターなどで繰り返し株高を自賛していたトランプ氏は12日、株価の急落を一蹴。記者団に対し「金融市場について多くの作業を進めている。うまくいくだろう」とし「忘れてはならないが、株価は私の就任時の水準を依然としてはるか上回っている。株式市場は大きな打撃を受けたが、軒並み反発するだろう。適切な時期に非常に大きく反発するだろう」と述べた。
ダウ工業株30種は、トランプ大統領が欧州からの入国禁止措置を発表したことを受けて、12日に10%近く急落。S&P総合500種指数先物は11日遅くの入国禁止発表直後から値下がりしていた。
米株式市場は、トランプ政権の発足後、共和党が規制緩和を進めるとの期待で銀行株を中心に上昇。トランプ氏は規制緩和を実現した。その後も大型減税を受けて企業が増配や自社株買いを進め、株価が値上がりしていた。
ある調査によると、このところの株価急落で、平均的な米国人は9日時点で1人当たり約1万6000ドルの損失を被った。損失の主因は退職プランの運用資産の目減り。調査は資産の格差を考慮に入れていない。

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