バチバチと音を立てながら炎が駆け巡り、一面を黒く染め上げた。佐賀市三瀬村の観光牧場「どんぐり村」で4日、枯れ草を焼き払い芽吹きを促す「野焼き」が始まった。立ち上る煙がのろしとなって、山里に春の訪れを告げている。
園内の草原を維持するため、毎年3月上旬の休園日に実施。消防署への届け出や事前に草刈りをするなど飛び火対策をした上で、生野素之園長をはじめスタッフ14人が作業に当たった。
生野園長は「前日に雨が降って湿気はあるが、燃え方は順調。敷地の外に火が移らないよう注意したい」と話した。天候を見ながら、もう1日実施する予定で、焼かれた大地は約1カ月で“緑のじゅうたん”に変わる。(写真と文・米倉義房)