銀座店の伝統を受け継ぐ濃厚なアイスコーヒー『銀座和蘭豆 サンライズ蒲田店』

濃厚な生クリームを浮かべたアイスコーヒーと香りのよいブレンドコーヒー各600円。
濃厚な生クリームを浮かべたアイスコーヒーと香りのよいブレンドコーヒー各600円。

昭和44年(1969)創業の『銀座和蘭豆』は東京の喫茶店でも老舗格。その2号店として昭和47年(1972)に蒲田駅前店がオープン。このサンライズ蒲田店は、その姉妹店として2013年にオープンした。銀座店の伝統の味を伝承するモカベースの自家焙煎コーヒーは、アイスはネルドリップ、ホットはサイフォンと淹れ方を変える。なかでもアイスコーヒーは、ネルドリップで抽出したコーヒーに動物性生クリームを浮かべ、特製シュガーシロップを注いで提供するのがこの店のスタイル。夏は8割、冬でも4割くらいの客が注文するという名物メニューだ。

きのことベーコンのグラタン(パン・サラダ付き)単品950円、ドリンクセット1300円。
きのことベーコンのグラタン(パン・サラダ付き)単品950円、ドリンクセット1300円。
奥に長い店内で、曲線を多用した内装が奥行き感を演出している。店内は完全分煙。
奥に長い店内で、曲線を多用した内装が奥行き感を演出している。店内は完全分煙。

『銀座和蘭豆 サンライズ蒲田店』店舗詳細

住所:東京都大田区西蒲田7-51-12 ライオンズフジ1F/営業時間:9:00~19:30LO/定休日:不定/アクセス:JR・私鉄蒲田駅から徒歩5分

王道純喫茶で味わう昔ながらのナポリタン『珈琲 琵琶湖』

太い木の柱や梁、ステンドグラスのランプシェードが印象的な店内は、「純喫茶」と呼ぶにふさわしいレトロな雰囲気がある。
太い木の柱や梁、ステンドグラスのランプシェードが印象的な店内は、「純喫茶」と呼ぶにふさわしいレトロな雰囲気がある。

昭和54年(1979)開業。食事やケーキなど多彩なメニューが揃うなか、一番の人気を誇るのが 昔ながらのナポリタン。デュラム・セモリナ粉100%使用の中太パスタは、もちもちとした食感で、食べごたえがある。具は、あえてゴロゴロとした食感を残した豚挽肉とピーマン、タマネギ、マッシュルームなどの野菜。完熟トマトのみで作った濃厚なケチャップで和えたその味は、まさに喫茶店で食べた昔ながらのナポリタンだ。コーヒー420円~は味と香りを失わないように、こまめに豆を挽き、注文を受けてから1杯ずつサイフォンで淹れる。

昔ながらのナポリタン 単品730円、セット900円。シュガーポットで供される粉チーズをたっぷりかけて味わおう。
昔ながらのナポリタン 単品730円、セット900円。シュガーポットで供される粉チーズをたっぷりかけて味わおう。
レンガと白壁の外観が印象的な山小屋風の外観。2階の窓の上にある赤いテントのひさしがかわいい。
レンガと白壁の外観が印象的な山小屋風の外観。2階の窓の上にある赤いテントのひさしがかわいい。

『珈琲 琵琶湖』店舗詳細

ロートレックの作品を飾った古き良きパリのカフェ『チェリー』

ロートレックの作品を飾った店内でコーヒーを楽しめば、しばしパリ気分。
ロートレックの作品を飾った店内でコーヒーを楽しめば、しばしパリ気分。

昭和35年(1960)創業の純喫茶。2014年に“古き良きパリのカフェ”をコンセプトに店は大変身。店内の赤い壁にはパリのキャバレー『ムーラン・ルージュ』の作品で知られるロートレックの絵画を飾り、洗練された雰囲気のなかにも懐かしさを感じる独特の空間になった。店の看板料理のチェリー風 焼きチーズカレーをはじめ、フードメニューが充実しているのでレストランとしても利用できる。メニューには掲載していない、いわゆる裏メニューがプリンアラモード。半切りしたメロンの器にパイン、メロン、ブドウ、バナナ、オレンジなど10種類を超す季節のフルーツと、生クリーム、バニラアイズ、プリンなどが入ったビッグサイズのスイーツだ。

席に運ばれると、見事な盛り付けに歓声が上がるプリンアラモード。これで800円とは安い!
席に運ばれると、見事な盛り付けに歓声が上がるプリンアラモード。これで800円とは安い!
オーナーの指田宏明さんはホール、奥様の郁代さんは厨房を担当する。にこやかな笑顔に人柄がにじむ。
オーナーの指田宏明さんはホール、奥様の郁代さんは厨房を担当する。にこやかな笑顔に人柄がにじむ。

『チェリー』店舗詳細

住所:東京都大田区蒲田5-19-8/営業時間:9:00~21:00LO(祝は~17:00)/定休日:日/アクセス:JR・私鉄蒲田駅から徒歩5分

時がゆっくりと流れる昭和レトロ喫茶『テラス・ドルチェ』

ガラス窓がある商店街側は1~2人用席、奥がグループ席。店内は喫煙可というのも昭和の喫茶店らしい。
ガラス窓がある商店街側は1~2人用席、奥がグループ席。店内は喫煙可というのも昭和の喫茶店らしい。

昭和の面影を残す蒲田のアーケード商店街で、40余年の歴史をもつ純喫茶。創業以来続くサイフォンコーヒーの味を、現在は若き2代目店主が伝えている。この店ではアイスコーヒーもサイフォンで淹れる。濃いめに淹れたコーヒーと、クラッシュした氷が入ったグラスをテーブルまで運び、客の目の前でグラスに注ぐ。瞬間的に冷やすことで、味と香りが際立つのだという。これも初代店主が考案した人気メニューだ。また、フードメニューが多いのも特徴の一つ。メニューを開けば、ケーキ、パフェ、パンケーキ、ピラフ、スパゲティ、カレーなどに分かれ、それぞれに数種類が用意されており、選ぶのに迷ってしまいそうだ。いずれもドリンクとセットにすれば割安になる。

「サイフォンで淹れたコーヒーは、ゆっくり抽出するので香りがいいんです」と話す店主の小野田真識さん。
「サイフォンで淹れたコーヒーは、ゆっくり抽出するので香りがいいんです」と話す店主の小野田真識さん。
テーブルでカップに注がれるブレンド珈琲500円。ジャンボアイスコーヒーは750円。
テーブルでカップに注がれるブレンド珈琲500円。ジャンボアイスコーヒーは750円。

『テラス・ドルチェ』店舗詳細

住所:東京都大田区西蒲田7-64-2/営業時間:10:00~20:00/定休日:無/アクセス:JR・私鉄蒲田駅から徒歩4分

スペシャリティコーヒーに定食、お酒まで楽しめる『Cafe ig(カフェ アイジー)』

 ホットコーヒー480円、自家製 焼プリン450円、自家製 ベイクドチーズケーキ520円。ナポリタン770円。コーヒー豆は販売も。
ホットコーヒー480円、自家製 焼プリン450円、自家製 ベイクドチーズケーキ520円。ナポリタン770円。コーヒー豆は販売も。

喫茶、定食、酒と全方位のメニューが充実しているだけでなく、仕入れや淹れ方にこだわるスペシャリティコーヒーや丁寧に作り上げる自家製スイーツが評判。特に焼プリンは流れ落ちるほどさらりとしたカラメルソースが特徴で、濃厚な卵の風味とバランスの良い甘みと苦みが絶妙。店内は明るさのある落ち着いた雰囲気で、定食を食べる親子連れや、ゆったりとカフェオレを飲む一人客、お酒を楽しむ人たちと多くの楽しみ方にあふれている。作業一つひとつに手を抜かず、新しいメニューにも挑戦していくカフェだ。

レトロなガラスの器になめらかなプリンがとてもきれい。
レトロなガラスの器になめらかなプリンがとてもきれい。
間口が広く、店内には明るい陽射しが差し込む。
間口が広く、店内には明るい陽射しが差し込む。

『Cafe ig(カフェ アイジー)』店舗詳細

住所:東京都大田区南蒲田1-9-1 本間ビル1F/営業時間:11:30〜21:00LO/定休日:水/アクセス:京急電鉄本線・空港線京急蒲田駅から徒歩5分

日本茶で楽しむ和スタイルカフェ『KAKUMEI Burger&Café』

日替わり和前菜が付け合せになるKAKUMEI味噌麹バーガー1600円と日本茶600円。
日替わり和前菜が付け合せになるKAKUMEI味噌麹バーガー1600円と日本茶600円。

蒲田の中でもディープなスナック街にあるカフェで、牛ステーキ肉100%で作るハンバーガーが自慢だ。塩と混ぜた1cm大の赤身肉を手でぎゅっと握ってまとめ、鉄板にそーっと置いてレア気味に焼く。軽い口当たりのバンズにかぶりつくと、大きめの肉の塊が口の中でほろりとほどけ、肉々しい弾力が口の中いっぱいに広がる。まるでステーキを食べているような気分になるが、脂肪を取り除いた赤身肉使用で、ソースは味噌麹、付け合せも和風なので食べごたえはありつつヘルシー。日本茶の渋みとの相性も抜群だ。

パティは、1個あたり100gのステーキ肉を使用。
パティは、1個あたり100gのステーキ肉を使用。
スタッフがDIYで作り上げた内装がシック。
スタッフがDIYで作り上げた内装がシック。

『KAKUMEI Burger&Café』店舗詳細

住所:東京都大田区西蒲田7-10-10/営業時間:ランチ11:00〜15:00、ディナー18:00〜21:00LO(土・日・祝は11:00〜21:00LO)/定休日:火/アクセス:JR・私鉄蒲田駅かから徒歩5分

おいしいマクロビで心も体もリセット『ひだまりカフェ』

総菜3品が付いた、ひるの定食1430円。
総菜3品が付いた、ひるの定食1430円。

ヴィーガンと非・ヴィーガンが一緒においしく食事できるカフェ。肉、卵、乳製品などの動物性食品と白砂糖は不使用、できる限りオーガニックの食材を使用するが、ベジタリアンでない人のために魚料理も提供している。3種のメインのおかずから1品、「本日のおそうざい」4種から2品、または3品セレクトでき、玄米ご飯、味噌汁、おしんこ、健康茶がセットになる「ひるの定食」が人気。とくに圧力釜で炊く有機無農薬の玄米は、噛めば噛むほど甘みがありモチモチとしていて「玄米のイメージが変わった」という人も。大豆ミートに味付けをしてからりと揚げた「なんちゃって鶏の唐揚げ」など、健康にいいだけではなく、しっかりと「おいしい」メニューがいっぱい。心も体もリセットできるやさしさあふれるカフェだ。

その日にある食材をたっぷり入れた具沢山の味噌汁。
その日にある食材をたっぷり入れた具沢山の味噌汁。
 シンプルで明るい店内。野菜や調味料の販売もしている。
シンプルで明るい店内。野菜や調味料の販売もしている。

『ひだまりカフェ』店舗詳細

住所:東京都大田区蒲田4-31-1/営業時間:11:30~14:00/定休日:日・月・祝/アクセス:JR蒲田駅から徒歩5分

取材・文・撮影=塙 広明、ミヤウチマサコ

蒲田は、城南を代表する繁華街である。と書くと、それは品川では? いや大井町や中目黒じゃないの? という声が上がるかもしれない。しかし、城南に生まれ育った人間なら知っている。蒲田こそが城南を代表する繁華街であり、城南文化、つまり渋谷や目黒、品川あたりから吹いてくる城南の風の吹き溜まりの街であることを。