旅の寸景

低すぎる火山島 島根県・大根島 【知られざる日本の離島】

文・撮影/加藤庸二

島の中央部から辺りを見渡しても、山らしき山は見あたらない。それどころか見事に整地された広大な畑が、湖のなかに広がっていることに不思議さを感じることだろう。

 
低い。火山でできた島にしてはあまりにも低すぎる。しかしこの島は、れっきとした火山に由来する島。それを裏づけるように島内には天然記念物の溶岩トンネルがあり、大塚山公園という山にちなむ名前の場所がある。

 
この島の成り立ちが面白い。実はその大塚山こそがこの島を造ったのであり、なんとその標高はわずか42mという日本でも有数の低い火山だったのだ。粘り気の弱い溶岩が約20万年前に大地に緩やかに流れ出して固まり、その後長い年月を経て1万年ほど前にその周囲に海水が入り込み、中海(潟湖)のなかにある島となった。

 
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▲左/島の大地の向こうは中海。右/火山の痕跡・溶岩トンネル。

 
さらにユニークなのは島名の由来。諸説あるうちで面白いのが『出雲国風土記』のもので、鷲が海のタコをくわえて大空を飛んだ姿がよく見られたことから「たこじま」と呼ばれ、いつしか「だいこんじま」になったという説。定かではないが実に面白い。

 

▲トップ画像/この島の特産は大根ではなく牡丹。4月下旬から5月にかけて島内の至る所で牡丹の花が咲く。

 
DATA|都道府県:都道府県:島根県 人口:3,241人*

*日本離島センター刊『SHIMADAS』調べ

 

大根島へのアクセス

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東京(羽田)、大阪(伊丹・神戸)、名古屋(小牧)、福岡、仙台、静岡、隠岐から出雲縁結び空港へ、JALグループ便またはコードシェア便が毎日運航*。松江駅から市営バスで八束町・由志園入口まで約50分。

 
加藤庸二
かとう ようじ/島フォトグラファー。国内の有人島で上陸可能な430余島のすべてを踏破した島のスペシャリスト。著書に『日本百名島の旅』『島の博物事典』ほか多数。

 

(SKYWARD2020年4月号掲載)
※記載の情報は2020年4月現在のものであり、実際の情報とは異なる場合がございます。掲載された内容による損害等については、一切の責任を負いかねますのでご了承ください。
※最新の運航状況はJAL Webサイトをご確認ください。

 
 

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