• トップ
  • ニュース一覧
  • カタール指揮官は「最高のフットボールをした」と称賛も…U-23日本代表はなぜ1分2敗で大会を去ることになったのか?

カタール指揮官は「最高のフットボールをした」と称賛も…U-23日本代表はなぜ1分2敗で大会を去ることになったのか?

カテゴリ:連載・コラム

後藤健生

2020年01月16日

意思疎通に欠けたのは当然のこと。約1週間の事前合宿ではまとめきれず

3試合を戦って未勝利で敗退が決まったU-23日本代表。カタールのサンチェス監督は「日本は大会を通じて最高のフットボールをした」と持ち上げたが……。写真:佐藤博之

画像を見る

 カタールのフェリックス・サンチェス監督は「日本は大会を通じて最高のフットボールをしたチームだった」と語った。もちろん、日本メディア向けのリップサービスでもあるのだろうが、ボールテクニックやパスの角度といった“プレーの質”では少なくともグループBに入った中東勢と比べて日本の方が明らかに上だった。また、中東勢はちょっとした接触でも大げさに倒れてすぐにゲームを止めたが、日本の選手はどんな状態でもボールを動かし続けた。

 では、良いサッカーをしながら、どうして1分2敗に終わったのか? 最大の敗因はあれだけボールを保持して攻めながら3試合とも1点しか決められなかったことだ。「個の能力」が高い相手を止めきれないことも弱点だが、たとえカウンターで失点したとしても3点取っていれば勝利できていたはずだ。

 得点できなかったのはフィニッシュ段階でのパス精度の低さが原因だろう。足下にパスを出すのか、スペースに出すのか、といった意思疎通の悪さ。あるいは動き出しのタイミングのズレのせいで、ボックス内でシュートを打つ場面が作れなかった。

 2019年を通じて森保一監督は「ラージグループ」作りに徹し、A代表、U-22代表を通じて数多くの選手がテストされてきた。そのため、招集の度にメンバーが入れ替わっていたのだ。意思疎通に欠けたのは当然のことと言っていい。

 メンバーを固定できなかったのにはスケジュールや拘束権といった事情もあったが、「ラージグループ」作り優先というのは、基本的には森保監督の判断だった。従って、今回の敗戦はある意味で想定内でもあった。監督としては、この大会に向けては「約1週間の事前合宿でなんとかまとめられる」という計算だったのだろうが、見通しが甘かったようだ。

 6試合を予定していたのに3試合で大会を去ることとなり、今後7月の東京五輪開幕まで公式戦を経験できなくなってしまったのはかなり大きな痛手だが、目標はあくまでも五輪での金メダル。もはや「ラージグループ」作りの段階は終わったのだから、これからメンバーを固定して完成度を高める作業が始まる。日本側に海外組の拘束権がある3月と6月のA代表の活動期間を利用して、コンビネーション作りを進めてほしい。
 
【関連記事】
【カタール戦|採点&寸評】相変わらず遅かった交代選手の投入。最大の疑問として残ったのは…
【セルジオ越後】“10人でよく頑張った”はアマチュア的発想…森保監督に“背負わせ過ぎた”協会の責任は大きい
「日本協会はメンタル崩壊…」と報じた韓国メディア。森保監督の進退問題にも注目
【現役の眼】元日本代表MF、橋本英郎が考察するカタール戦。なぜ3バックにこだわるのか、僕なりの見解
【セルジオ越後】23歳以下なのにベテランチームのようだ。3連敗で予選敗退もあり得るかもね

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 世界各国の超逸材を紹介!
    4月18日発売
    母国をさらなる高みに導く
    「新・黄金世代」大研究
    列強国も中小国も
    世界の才能を徹底網羅!!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ