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坂本勇人ミスター以来の快挙なるか ライバルは4年目の岡本和真

2018 6/22 15:41勝田聡
坂本勇人,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

坂本は長嶋茂雄以来の快挙なるか?

セ・リーグの首位打者争いが熾烈だ。2度目のタイトルを目指す坂本勇人(巨人)、宮﨑敏郎(DeNA)に新星・岡本和真(巨人)が打率.330以上でしのぎを削っている。その3人につづく平田良介(中日)、坂口智隆(ヤクルト)、ソイロ・アルモンテ(中日)らも打率.320を超えており、トップの坂本(.337)から6位のアルモンテ(.324)までわずか.013差と1日で順位が目まぐるしく入れ替わる。

そのなかで注目したいのが、巨人を主将として引っ張る坂本だ。2016年に初の首位打者に輝いた坂本だが、2度目のタイトルとなれば、巨人の右打者では「ミスタープロ野球」こと長嶋茂雄以来史上2人目の快挙となる。

昨シーズンは、プロ野球史上2番目の若さとなる28歳6カ月で1500安打(右打者では最年少)を達成し、球界屈指の打者であることは疑いようがない事実だ。その坂本は巨人というチーム所属していることで、比較される過去の選手がONや松井秀喜など、プロ野球史に輝くレジェンドたちばかり。そういった苦労があるにもかかわらず、2008年のプロ2年目からレギュラーとしてチームを引っ張っている姿は賞賛に値する。

今の巨人を見ると坂本がチームの成績に与える影響は大きい。勝負どころとなる夏場に向けてさらに加速したいところだ。

89代4番・岡本和真が坂本のライバルに!

チームの先輩である坂本に迫るのが岡本だ。2014年ドラフト1位で智弁学園高から巨人に入団後、毎年期待されながらも昨シーズンまでは一軍で結果を残すことができなかった。守備位置も本来の内野だけでなく、外野にも挑戦するなど苦しんだ。

しかし、今シーズンの岡本はひとあじ違う。オープン戦で15打点をマークし、打点王に輝くと開幕戦から「6番・一塁」でスタメン出場。2戦目で初本塁打を放つと、その後も好調をキープし結果を残しながら徐々に打順を上げていく。そして、交流戦序盤の6月2日からは「巨人軍第89代4番」としてチームを引っ張っている。

坂本と競っているのは打率だけではない。坂本がリーグトップの87安打に対し、岡本は81安打とリーグ2位タイだ。6安打差はあるものの、坂本の背中を安打数でも追いかけているのだ。また打点も坂本の46打点に対し、岡本は43打点と差はわずかに「3」。そして本塁打では逆に岡本が12本塁打で坂本の9本塁打に3本差をつけている。打点、本塁打はタイトル争いとまではいかないものの、リーグ上位の数字をチーム内で競い合っているのだ。

坂本がチームの中心となって以降、このように打撃各部門で競い合う後輩が出現したのは初めてのこと。巨人に対しては「坂本以外の若手が育たない」という声がファンの間で囁かれていた。その声を一蹴するかのような岡本の成長に坂本も負けてはいられないだろう。ふたりの活躍でAクラス、そしてリーグ優勝を目指したい。

※数字は2018年6月20日終了時点