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現役続行宣言のロッテ福浦 次のフクメーターは史上13人目「400二塁打」

2018 10/7 07:00青木スラッガー
福浦和也,ⒸYoshihiro KOIKE
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ⒸYoshihiro KOIKE

通算388本目の二塁打で金字塔

中日・岩瀬仁紀や西武・松井稼頭央をはじめ、大物の引退発表が相次いでいる。そんな中、9月下旬に2000安打の金字塔を打ち立てたロッテのレジェンドは現役続行を宣言した。宣言通りとなれば、来シーズンは福浦和也が岩瀬に代わって現役最年長プレーヤーとなる。

来シーズンは43歳で開幕を迎えることになる福浦。幕張の安打製造機の次なる「フクメーター」は史上13人目となる通算400二塁打だ。

福浦という選手を語るのに、「二塁打」を外すことはできないだろう。キャリアハイとなる21本塁打をマークした2003年は50本もの二塁打を放った。シーズン50本以上の二塁打を放ったのは長いプロ野球の歴史の中で、他に2001年オリックスの谷佳知(52本)のみだ。福浦のシーズン50二塁打は歴代2位、左打者としては歴代トップの記録となる。

今シーズンも福浦は4本の二塁打をマークした。いずれも、場所は本拠地ZOZOマリンスタジアム。球団史上最多2162試合出場を達成した4月10日西武戦、3回に中押しのタイムリーとなった翌日の同カード、延長10回に代打で登場してその期待に応えた7月16日楽天戦、そして、ファンが開幕から待ちわびた瞬間が訪れた9月22日西武戦。これで、通算388本目の二塁打だ。

通算盗塁10個のヒットマン

通算2000安打目は、西武の左キラー・小川龍也が投じたスライダーに、最後は右手一本になりながら巧みなバットコントロールで合わせて右翼手の横を破る、福浦らしいライナー性の二塁打だった。

二塁への到達スピードは決して速くない。右翼線深くに達する当たりだったが、最初から必死に走ってベース到着にはスライディングを必要とした。それは40代を超え、大ベテランの域に達したからだというわけではない。6年連続打率3割をマークした全盛期の頃も、スマートなスタイルとは裏腹に、意外にも足はかなり遅い部類の選手であった。

福浦があと12本に迫るNPB通算400二塁打の達成者は歴代12名。ここに福浦を加え、打数を二塁打で割った二塁打率を比べてみる。福浦は5位で、ペースとしてもかなり二塁打が多いタイプの選手ということになる。

この13名の中で、福浦が異質なのは通算盗塁の少なさだ。25年でわずか10個。次に少ないのは稲葉篤紀の通算74盗塁である。史上最高のスピードスター福本豊をはじめ、彼らは足で稼いだ二塁打もそれなりにあったはず。しかし福浦の場合、表現としてほとんどはバットで稼いだ二塁打ということになるだろう。

内野安打をあまり期待できない中で達成した2000安打の価値の高さは多くの識者に言及されている。ここまで積み重ねてきた二塁打に関しても同じことがいえるはずだ。

再び「ミスターツーベース」としての姿を

前述の二塁打率から計算すると、これまでのペースではあと12本二塁打を打つのに250打数ほど必要だ。シーズン200打数以上をマークしたのは2011年が最後。同年は13二塁打を放ったが、以降はシーズン10本以上の二塁打を達成しておらず、400二塁打まで簡単な道のりではない。

しかし、今シーズンの2000安打も序盤は達成が「厳しいのでは」という雰囲気に一時包まれていた。開幕スタメンを果たすも、なかなかヒットが出ず、5月半ばには18打席無安打で二軍再調整。そこから立て直し、7月は月間打率.333で10安打を放って猛チャージをかけた。

満身創痍の体で出場を続けた結果、9月下旬に2000安打を達成した後は登録抹消となったが、再び不屈の闘志で輝きを取り戻せるか。通算400二塁打の達成者は、福浦で史上52人目となった2000安打よりもはるかに少ない。稀代の「ミスターツーベース」には、この大台もぜひクリアしてもらいたものだ。