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歴代7人…次の「3割300本1000打点」は? 坂本・山田らに可能性

2020 1/8 06:00青木スラッガー
読売ジャイアンツの坂本勇人ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

「3割・300本塁打・1000打点」達成者はON砲ら7名

「3割・30本塁打・100打点」は一流打者の証とされる。「確実性」「長打力」「勝負強さ」のすべてを備えている証であり、クリーンナップを任されるような強打者にとって、勲章といえるほどのものである。

開幕前の目標に掲げる打者も多い数字だが、今回はシーズン成績ではなく、その積み重ねである通算成績に範囲を広げて「打率・本塁打・打点」の記録に注目してみたい。「3割・30本塁打・100打点」級の成績を安定して続けた結果として、通算「3割・300本塁打・1000打点」をクリアした打者はどれだけいるだろうか。

現役選手も含め、通算成績で打率3割以上(4000打数以上)は26人、300本塁打以上は42人、1000打点以上は46人がこれまで達成している。その中で、3部門全てをクリアしたのは以下のメンバーだ。

通算「3割300本1000打点」達成選手ⒸSPAIA


最初に達成したのは王貞治氏、長嶋茂雄氏の巨人ON砲。次にプロ野球史上唯一の3000本安打を達成した張本勲氏、三冠王3度の落合博満氏と続く。21世紀に入ってからはアレックス・ラミレス氏、小笠原道大氏、和田一浩氏。長いプロ野球の歴史の中でたった7人。メンバーの濃さを見ても、やはり偉大な記録であることがわかる。

223本塁打・800打点の坂本勇人は打率3割に届くか……

次に「3割・300本塁打・1000打点」を達成するのは誰になるだろうか。

NPB生涯打率ランキングの対象となる4000打数以上の現役選手から打率.290以上を探すと、ヤクルト・青木宣親(.326)、ソフトバンク・内川聖一(.303)、阪神・糸井嘉男(.302)、MLBレッズへの移籍が決まった秋山翔吾(.301)、巨人・中島宏之(.294)、巨人・坂本勇人(.293)、阪神・福留孝介(.291)という並びになる。

このうち、3割に届いていない福留と坂本が200本塁打以上を記録している。年齢的に、可能性があるとすれば今季3割40本を達成した坂本の方だろう。

坂本は現在223本塁打と800打点をマークしており、この2つは3年以内の大台到達もあり得る。ただ、打率の方はなかなかハードルが高い。坂本の最近3年間の平均打率は.314(1年平均:512打数161安打)で、この成績をあと6年続けてようやく打率もクリアという計算になる。通算打率3割はギリギリの挑戦となりそうだ。

山田哲人、柳田悠岐、鈴木誠也が期待大

まだまだ先は長いが、4000打数以下ではヤクルト・山田哲人、ソフトバンク・柳田悠岐、広島・鈴木誠也と走攻守揃った3選手がバランスの良い成績を残してきている。

山田は打率.297(3598打数)・202本塁打・583打点。本塁打と打点はハイペースで数字を積み重ねているが、今季.271 に終わった打率がやや心配なところだ。4000打数に乗る可能性が高い来季は打率の復活に期待したい。

柳田は打率.319(3003打数)・157本塁打・525打点で、3000打数に達した中、3割2分に迫る高打率を残している。まだ25歳の鈴木は打率.317(2111打数)・119本塁打・399打点。両選手とも、このまま順調に活躍を続ければ、3部門とも余裕を持って大台に到達できるペースである。

歴代で7人しかいない「3割・300本塁打・1000打点」だが、今のプロ野球界には可能性のある選手が近い世代に4人固まっている。何人が偉業を達成することになるのだろうか。球界を引っ張る存在である彼らのさらなる活躍に期待したい。

2020年プロ野球・読売ジャイアンツ記事まとめ