大健闘もクビ差届かず
10月24日(土)に東京競馬場で富士S(GⅡ・芝1600m)、25日(日)には京都競馬場で3歳クラシック最終戦の菊花賞(GⅠ・芝3000m)が行われた。AI予想エンジンKAIBAが推奨した馬は好走することができたのか。先週のデアリングタクトに続いて、コントレイルも無敗での3冠達成という記録がかかった、菊花賞から振り返っていこう。
AIの印を見る前から、今週も無敗での三冠がかかるコントレイルに本命を打たないのではないかという予感がしていたが、その通りの予想となった。
本命に推奨したのは、前走で2勝クラスを勝利し、抽選を突破してきた上がり馬のアリストテレスだった。前走で芝2200mの2勝クラスを勝利した馬は【0-0-2-2】、芝のレースで500m以上の距離延長では単回収率878%、複回収率162%を誇るエピファネイア産駒だということに着目。
コントレイルの能力に文句のつけようはないが、少しでも配当妙味のある馬から狙いたいという判断のもと、「コントレイル<アリストテレス」という印にしたのだろう。以下、ガロアクリーク、マンオブスピリット、ヴェルトライゼンデまで印を回したが、人気の一角バビットは無印とした。
そのバビットが好スタートを切ったものの、それを制してハナに立ったのはキメラヴェリテ。3角を上りきる前に先行争いはあっさりと決着した。印を回した馬の位置どりは、ガロアクリークが4番手のインコース、そこから3馬身ほど後ろの7番手あたりにコントレイルとアリストテレスがピッタリと並んで追走。その直後にヴェルトライゼンデ、マンオブスピリットは最後方からレースを進める。
1周目の正面スタンド前では、各馬が馬場の悪い内を空けて駆け抜けていく。例年なら縦長になることが多いが、1000mの通過が1:02.2と落ち着いたこともあり、馬群は凝縮して淡々とレースは流れた。
2周目に差しかかり、キメラヴェリテが後続を引き離しにかかるが、坂を下り始めるとリードはなくなり失速。コントレイルに目を向けると、手応え抜群でスムーズに進路を取って直線へ。このまま楽に三冠達成かと思われたが、終始隣でピッタリとマークしていたアリストテレスがそうはさせなかった。
馬体を併せての追い比べになってもしぶとく食い下がり、2頭によるデッドヒートは続く。無敗の三冠なるか、AIの本命馬がそれを阻止するのか、見ている側からすると大興奮のゴール前となったが、「これぞ三冠馬の走り」と言わんばかりに抜かせず、クビ差で父子で無敗の三冠を達成した。
予想は○◎で馬連910円という配当になったが、それ以上に見応え十分のレースだった。