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長友がクアドラードを撃退 日本一丸でコロンビアの攻撃力封じる

2018 6/20 03:34SPAIA編集部
日本代表,長友,Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

4年前の雪辱、南米勢にW杯初勝利

グループH日本の初戦はコロンビア。ハメス・ロドリゲスやラダメル・ファルカオといった強敵達を相手に、日本代表が奮闘。PKでの先制に始まり、同点に追いつかれた後は大迫がヘディングシュートでネットを揺らしてみせた。

4年前には1-4で敗れていた日本。数的優位を得ながらも苦しい試合展開に最後まで気の抜けない戦いだったが、見事雪辱を晴らし南米勢にW杯初勝利を収めた。

数的優位も苦しい戦い

試合が動くのは早かった。

前半3分、大迫がダビソン・サンチェスの裏を突いて抜け出し、オスピナと1対1の局面に。シュートは弾かれたが、香川がすかさず反応しゴールにこぼれ球を叩き込む。これにカルロス・サンチェスがたまらず手を伸ばし一発レッドカード。決定的な局面で明らかに故意にハンドしたCサンチェスは退場の上、日本代表はPK獲得というチャンスを得る。

しかし11対10となったことで、日本が圧倒的有利になったかといえばそうではない。試合全体の支配率を見れば、日本61%、コロンビア39%と日本側が優勢に思える。しかしコロンビアは積極的なプレスで幾度となく深い位置でボールを奪取。ラダメル・ファルカオに的確にボールを集め、1人少ないことを感じさせない試合運びで何度も日本のゴールを脅かした。

それでも日本が複数ゴールを奪われなかったのは、大迫や香川といった攻撃陣の守備参加、クアドラードを封じ込めた長友のおかげだ。

エースの不在と中央重視のコロンビア

コロンビアは右サイドのフアン・クアドラードにボールを集中。圧倒的な突破力で前線を押し上げファルカオに繋ぐとことを試み、実際にいくつかのボールはファルカオの足元に届いていた。

だが、その上をいったのが長友だ。クアドラードの縦への突破は許しても、クロスの供給は阻止し続けた。コースをずらし、タイミングをずらし、いくつもの危機を事前に潰し続けた。

退場による影響はあったものの、クアドラードが早々に交代させられたのは、長友がいる限り決定機は訪れないと判断させたからだ。ロドリゲス、ファルカオに次ぐ主力を追いやった功績は大きい。

油断ならない球際、見えてきた日本の改善点

グループリーグ初戦で見事勝ち点3を奪い取った日本。最高のスタートを切ったことで、「グループ突破が見えてきた」と考えたいところだが、この試合ではいくつかの改善点も見つかった。特に注視すべきは球際での攻防だろう。

日本は攻撃陣も参加した堅守により、相手攻撃陣に思い通りのプレーをさせなかった。しかし中盤の駆け引きではでは、ボールの扱いに長けるコロンビアの選手達がするりとプレスを回避。広くエリアを使われボールをスライドさせながら回されると、つられて飛び出してしまう場面も見てとれた。これでは一瞬の隙を突いてゴールを決めてくる世界のストライカーに太刀打ちするのは難しい。1本でもパスが通れば、彼らはあっという間にゴールを揺らす。

パラグアイ戦前日の記者会見で西野監督が語っていたように、ブロックを作るタイミングだけでなく、ディフェンスを剥がされた際のポジションの修正にも気を配る必要がある。

第2戦セネガル戦キックオフは6月25日0時

次に待っているのは、サディオ・マネやケイタ・バルベ・ディアオらスピード型アタッカーを多く揃えるFIFAランキング27位のセネガル。同8位のポーランドを2-1で撃破し実力勢いともに決勝Tへの第2の試練だ。

過去の対戦成績は2敗1分けと厳しい戦いが予想されるが、白星をつかめば2戦目にして決勝T進出確定の可能性がある。(コロンビア-ポーランド戦でコロンビアが勝利もしくは引き分け)

コロンビアとの試合で得た感覚は必ず活きるはずだ。今回の勝利は日本の選手にとっても、サポーターにとっても大きな希望となった。次戦に向けた課題は残るものの、さらなる勝利に期待せずにはいられない。