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セネガル戦は手堅く、ポーランド戦で勝負 日本のグループ突破の鍵はこれだ

2018 6/21 07:00Takuya Nagata
ワールドカップ,ロシア大会,日本代表,Ⓒゲッティイメージズ
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セネガルがポーランドを撃破

日本がコロンビア戦から歴史的な勝利を挙げた2018年ワールドカップロシア大会、グループHでは6月19日、ポーランドとセネガルが対戦。

前半37分、MFイドリサ・ゲイエのミドルシュートがポーランドDFグジェゴシュ・クリホビアクに当たりセネガル先制。後半15分には、ポーランドの不用意なバックパスにFWエムバイエ・ニアンがスプリントしGKの前でボールをさらうと、無人のゴールに蹴りこみ2-0とリードを広げる。

ポーランドは、後半41分、セットプレーから身長186cmのMFグジェゴシュ・クリホビアクが頭で合わせ1点返した。主砲のFWレバンドフスキが、強烈な直接FKを見せるも、本調子ではなく、1-2と初戦を落とした。

日本は中4日の6月24日にセネガルと対戦。そして同28日にはポーランドとグループ最終戦を戦う。

セネガル代表は、アフリカ勢の特徴である天性の身体能力の高さに加え、高いチームワークも兼ね備える。今大会最年少監督、42歳のアリウ・シセ監督は、2015年から指揮を執り一体感のあるいいチームを作り上げている。

セネガル戦は勝ち急ぐな

日本はセネガル戦に勝利すれば、決勝トーナメント進出が決定するが、勝ち急ぐのは危ない賭けだ。組織で守って攻める日本にとって、個々の身体能力の高いセネガルは日本が苦手とするタイプ。屈強な選手が、日本かそれ以上のグループ戦術を実践しており、大きな弱点は見当たらない。勝ち点1を確実にとることを念頭に置き、チャンスがあればコロンビア戦のように、勝ち点3を狙うというのが基本路線だろう。

ポーランド戦で勝負

ポーランド戦の前までに勝ち点を4に積み上げれば、仮にポーランドがコロンビアに勝っても、心理的に有利な状況で試合に入ることが出来る。逆にポーランドが2連敗し敗退が決定すれば、日本戦でのモチベーションの維持は難しいだろう。そうなれば、日本が勝ち点3をとるチャンスだ。

組織で戦ってくる欧州のポーランドは、セネガルより日本にとっては戦いやすい。バイエルン・ミュンヘンに所属する絶対的エースのFWロベルト・レバンドフスキ(29)が、日本戦までの約1週間でどれだけ調子を取り戻すか注視が必要だ。

コロンビア戦を落とすか引き分けていれば、セネガル戦で勝負に出るしかなかった日本だが、今後の戦い方に余裕が出てきた。

油断と慢心が怖いところだが、コロンビア戦で2点目のアシストを決めた本田圭佑は、「結果だけ見るといいですが、内容に関しては、アドバンテージを活かしきれず、そこまでいいものではなかった。」と浮かれることはなかった。セネガル戦でもチームの気持ちを引き締めてくれるだろう。

グループHの今後のシナリオ

グループ最終戦を前に、仮に勝ち点で日本4、セネガル4、コロンビア3、ポーランド0となれば、日本は引き分け以上で自力での決勝トーナメント進出が決まる。

仮に日本がセネガル戦を落とし、グループ2試合目を終えた時点で、セネガル6、日本3、コロンビア3、ポーランド0となれば、日本は決勝トーナメント進出へ向け、ポーランド戦に勝ちに行く必要がある。

グループ2試合目を終えた時点で、セネガル6、日本3、コロンビア1、ポーランド1となれば、日本は決勝トーナメント進出へ向け、ポーランド戦は引き分け以上で十分だ。ただし、生き残りへ可能性を残すポーランドは、物凄い気迫で勝ち点3をとりに来る。受け身になり過ぎずに、しっかりと守り切れるかが大事になる。

日本代表のW杯グループリーグ2戦目引き分けor敗戦時の突破条件

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西野ジャパンのセネガル戦の戦い方に注目

コロンビア戦を前に、「十二分ではないが、十分な準備は出来た。」と一定の自信をのぞかせた日本代表の西野朗監督は勝利後、次のセネガル戦について、「今はまだ考えられない。」と述べた。

どんなメンバーで、どういった戦い方をしてくるのか見ものだ。普通に考えれば、1試合目に勝利したメンバーを基本にするだろう。しかし、これまでの起用法をみると、選手のコンディション作りや、対戦相手に合わせた戦術変更、攪乱などの理由から先発メンバーを変えてくる可能性も十分に考えられる。

コロンビア戦では技術力の高い選手が多く先発したが、セネガル戦ではフィジカルの強い選手が出場ということもあるかもしれない。少なくともその可能性を相手に感じさせるだけでも効果がある。

日本とセネガルの対戦は6月25日0時から。番狂わせを起こした勢いに任せることなく、堅実な戦略でグループ突破を着実なものとして欲しい。