須田“出戻りメークドラマ”古巣JFE東日本で2冠獲得「こういう道もある」

[ 2019年12月12日 05:30 ]

2019年度社会人野球表彰受賞式 ( 2019年12月11日 )

最多勝利投手賞を受賞し笑顔を見せる須田(撮影・会津 智海)
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 2019年度社会人野球表彰(主催・日本野球連盟、共催・スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社、協賛・シチズン時計)の授賞式が11日、東京都千代田区のKKRホテル東京で行われた。DeNAから古巣のJFE東日本に復帰した須田幸太投手(33)が最多勝、ベストナインの2冠を獲得。中日に3位指名され、最優秀防御率賞を獲得した東芝・岡野祐一郎投手(25)へプロの先輩としてエールを送った。

 社会人復帰1年目を輝かしい成績で締めくくった。初優勝に導いた今夏都市対抗の橋戸賞に続き、栄誉を手にした須田は「プロを挫折して戦力外になる人もいると思うが、こういう道もあるし、もう一花咲かせられるというのを伝えられたのではないか」と言った。

 昨オフにDeNAから戦力外通告を受け、トライアウトも受験。今年1月にJFE東日本に復帰し、都市対抗では守護神として活躍した。冷静沈着な投球で流れを引き寄せて年間最多7勝。元プロを見る目は依然厳しい中で結果を出した。「ただ、これで元プロが社会人でやれるという(簡単な)気持ちで来ても無理だと思う。初心に戻って、プライドを捨てて打ち込める人が結果を出せる」。語気を強めてそう言った後、「プレー中は“オレが一番。打てるものなら打ってみろ”。でも、練習や私生活は元プロというのは一切捨ててみんなで頑張る。それが結果につながった」と振り返った。

 ベストナインを最後まで争った中日3位の東芝・岡野には「今年、社会人は岡野が引っ張ってくれた。このままいけば新人王もいける」と太鼓判。「自己分析をしっかりして、頑張ってほしい」とエールを送った。自身は11月に右肘のクリーニング手術を受けたことを明かし「もう一度、日本一を目指す」と都市対抗連覇を見据えた。 (松井 いつき)

 ◆須田 幸太(すだ・こうた)1986年(昭61)7月31日生まれ、茨城県出身の33歳。土浦湖北から早大を経てJFE東日本入社。10年ドラフト1位で横浜(現DeNA)入りし、プロ8年間で通算166試合に登板し16勝19敗、防御率4・81。1メートル76、76キロ。右投げ右打ち。

 《受賞者喜びの声》
 ▼日本製鉄鹿島片葺 自分には縁のない賞だと思っていたのでうれしい。自分だけの力で獲れた賞ではない。チームのおかげ。
 ▼トヨタ自動車沓掛 素晴らしい賞を頂きうれしい。社会人を盛り上げられるように頑張りたい。
 ▼日本生命原田 勝利にこだわったことで獲れたと思う。打撃以外でもチームを引っ張りたい。
 ▼日本通運諸見里 持ち味の守備が評価されてうれしい。遊撃手は内野の要。投手や外野にもっと声を掛けていきたい。
 ▼大阪ガス古川 とてもうれしい。勝負強い打撃が評価されたと思う。来年もチャンスで打ちたい。
 ▼鷺宮製作所茶谷 昨年のアジアウインターリーグで結果が出ず、奮起したのが良かった。走攻守全てそろった選手になる。
 ▼JFE東日本内藤 主軸を打つ若手に負けないようにと、やった結果。DHだが走者がいなくても貢献していきたい。
 ▼日本生命広本 首位打者とは自分でもびっくり。クリーンアップの原田君が活躍していたので必死についていった。

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