オリックス・由伸 東京五輪先発争いに名乗り 稲葉監督「ものが違う。球筋も球速もキレも…」

[ 2020年2月13日 05:30 ]

ブルペンで力強く投球練習をする山本。侍ジャパンの稲葉監督が五輪での先発起用を示唆した(撮影・後藤 大輝)
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 オリックス・山本由伸投手(21)が12日、東京五輪での先発投手枠争いに名乗りを上げた。昨秋プレミア12ではセットアッパーで世界一に貢献した中、視察に訪れた侍ジャパン・稲葉篤紀監督(47)から先発案を示され、改めて代表入りに意欲を示した。

 稲葉監督からの先発投手としての高い評価を伝えられ、山本は気持ちを高ぶらせた。「プレミアではセットアッパーだが、オリックスでは先発。まずは、なるべく先発で考えていきたい」という言葉を喜んだ。

 「とても興味があります。先発が好きなので。やってみたいという興味の部分。シーズンは先発。調整という面では、やりやすいかもしれないですね」

 見守られたブルペンでひときわ強烈な衝撃音を響かせた。直球の回転や軌道を確認しながら59球。稲葉監督に菅野や千賀級の素材として認められ、「モノが違うと言いますか。球筋も球速もキレも…」とうならせた。

 「先発にした時に打者を見ながら組み立てを変えられる器用さを持っている。そういうところも生かしていきたいなとは考えています。“先発で”ではなく“先発も”というところ」

 起用法について慎重に言葉を選んだのは、24人という限られた五輪の選手枠が起因する。投手は11か12人の見込みで、先発投手を5人以上含める想定。グループリーグの日程や勝敗次第で、最大8試合、8月1日から6連戦となる可能性があり、登板間隔の都合で最低でも5枚の先発枠が必要となるためだ。

 山本は先発、救援をこなせる万能型。快進撃を続けて試合数が減れば勝ち継投に組み込むこともでき、「例えば最後の決勝戦はね、もう総力戦になる。1イニング限定という考え方もあるでしょう」と思い描いた。

 09年の第2回WBCで先発枠だったダルビッシュが準決勝、決勝で抑えを担ったように「スーパーストッパー」としての役割が期待される。「まだ何も決まっていないと思うので。自分のことを。しっかり投げてシーズンを頑張った結果、五輪につながるように」。金メダル獲得が使命の侍ジャパンで、絶対に欠かせない最強の“刀”が山本だ。(湯澤 涼)

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2020年2月13日のニュース