巨人 革新的な「OBスカウト」を開始 全国各地の「金の卵」を発掘

[ 2020年6月28日 10:00 ]

巨人の「OBスカウト」として契約を締結した球団OB21人
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 巨人が、日本球界初の取り組みを開始した。26日、全国各地の球団出身者21人と「OBスカウト」として契約を締結。将来1軍で活躍が期待できる有望選手の情報提供など協力を求めるというものだ。

 球団と球界。2つの視点から実に革新的な試みだと思う。両者が未来永劫(えいごう)発展することを願う原辰徳監督(61)肝いりのプロジェクトで、「OBの方はアマチュア野球に凄く精通している。地域の野球振興にもつながる」とかねてから開始を熱望していていた。主に少年野球の指導に携わっている球団OBに依頼し、「金の卵」を発掘する。

 ソフトバンク・千賀が地元スポーツ用品店店主の推薦を受けて育成選手でプロ入りしたのは有名な話。その地域に住んでいる人しか知らないスター候補生が発掘され、日本を代表する選手へと変貌を遂げた好例だ。ソフトバンク・周東のような一芸に秀でた「掘り出し物」にも巡り合えるかもしれない。

 巨人の肩書を持つスカウトが訪れれば、おのずと各地の子供たちのモチベーションも上がるだろう。現行のスカウト活動にとらわれず、柔軟な発想で新たな形をつくりあげていく。主に少年野球の指導に携わっている球団OBが名を連ね、大阪府を担当する谷口功一氏や、山梨県を担当する四條稔氏らが就任した。

 基本的には将来的な視野でのスカウティングになるが、今季は新型コロナウイルス感染拡大の影響で春夏ともに甲子園大会が中止。同大会につながる地方大会もなくなった。スカウトの真の力が発揮されると言われるドラフト下位候補の中に、「知る人ぞ知る」名選手がリストアップされる可能性はある。(記者コラム・神田 佑)

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