阪神・ボーア 39打席目で来日1号 苦手な左腕から、実戦28打席目での初安打が本塁打に

[ 2020年7月2日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神3-6中日 ( 2020年7月1日    ナゴヤD )

<中・神(2)>9回無死、ボーアは来日第1号となる右越えソロホームランを放つ(撮影・椎名 航)
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 阪神のジャスティン・ボーア内野手(32)が1日の中日戦で待望の来日1号を放った。開幕から11試合39打席目。9回に岡田のスライダーを右翼席へ打ち込み、苦手にしてきた左腕から初めて快音を響かせた。チームは早くも3度目の3連敗で、1996年と並んで球団ワーストの開幕4カード連続負け越し。希望の一撃を逆襲につなげたい。 

 ボーアに笑顔はなかった…。本当は跳びはねたかったはずの来日初本塁打。待望の一撃よりも敗戦の事実が胸の内を支配し、心からは喜べなかった。

 「うれしかったですけど…。右左関係なく、自分のスイングができて、ホームランになって良かった。チームが勝てていないので、勝つためにもっと打たないといけないと思っている」

 4点劣勢で迎えた9回先頭で岡田の内角寄りの初球スライダーを完璧に捉え、打球は右翼席に弾んだ。開幕から11試合、39打席目に生まれた1号は、左投手に対して今春キャンプ中の実戦から28打席目で初めて奪った安打でもあった。メジャー通算92発のパワーをついに発揮。ベース一周後のベンチで“ファイアボール”も披露したが、盛り上がりには欠けていた。

 「どうやって今からチームが勝っていくのか、どうやって自分が力になれるのか考えてやっていきたい」

 6回の打席での反省の念もあったのだろう。5点差を追い、糸井、マルテの連打で得た無死一、二塁の好機を託された。フルカウントから山本の外角直球を遊ゴロ併殺。反撃の口火を切るどころが芽をつぶしてしまった。

 ただ、開幕5戦目で初安打が出て以降は明らかに上り調子。悔しい併殺打で終わらず、最終打席で意地を見せた。3打席目まではすべて見逃していた初球を捉え、好結果にもつなげた。適応力を示す打席にもなった。

 待っていたのはファンだけではない。コロナ禍で開幕が延期になってからも、支えてくれたヘイリー夫人を安心させる本塁打になったはずだ。自粛期間には練習メニューが限られている中、自宅練習をサポートされ、開幕後も1歳の息子と一緒に自宅でユニホームを着て毎試合、テレビの前で声援を送ってくれるという。

 矢野監督からも「きっかけにしてもらえたらいいんで。今、本当にチーム全体として点が取れない、打てないという苦しい中で、本塁打は貴重」と期待された。量産へ、そして、勝利への号砲であることを信じたい。 (長谷川 凡記)

 《最近6試合では打率・375》ボーア(神)が来日11試合、39打席目で待望の初本塁打。打った岡田は天敵としていた左投手で、対左腕10打席目、開幕前の実戦を含めれば28打席目の初安打を飾った。デビューから18打席連続無安打。チームの新外国人野手では83年バースの15打席を上回るワースト記録をつくったが、6月24日19打席目で初安打が出て以降は、先発した5試合すべてで安打をマーク。最近6試合で16打数6安打2打点の打率・375と調子を上げている。なお83年バースの初本塁打は12試合、23打席目。2試合後には2打席連続の2、3号を放っている。

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