世界で16の映画賞受賞「いざなぎ暮れた。」が東京凱旋上映 毎熊克哉「気持ちよく届くのでは」

[ 2020年3月10日 05:30 ]

映画公開を喜ぶ主演の毎熊克哉
Photo By スポニチ

 毎熊克哉(32)と武田梨奈(28)がダブル主演の映画「いざなぎ暮れた。」が今月20日から東京で“凱旋”公開される。これまで世界32の映画祭に出品され、16の賞を受賞した“賞率”5割の実績を引っ提げての上映。毎熊も「気持ちよく届くのではないか」と期待を寄せている。

 元々は短編として企画され、撮影はわずか3日だった映画が、出世魚のごとく世界で評価され、ロケ地の島根での先行公開を経てついに東京上陸を果たす。同作は当初、沖縄国際映画祭の地域発信映画として、松江を舞台にした企画。しかし、脚本は元々長編並みのボリュームがあり、毎熊も「撮るだけ撮って編集で15分くらいにすると思っていた」という。

 借金に追われた男が金策のため、恋人とともに疎遠になっていた故郷を訪れるロードムービー。「神様に一番近い町」といわれる地元・美保関町の厚い支援もあり、製作サイドや脚本にほれ込んでいた毎熊らキャストも盛り上がり、長編として世界で勝負する流れが醸成された。積極的に出品を申請し、クラウンウッド国際映画祭で最優秀作品賞など次々に受賞を重ねた。

 毎熊自身もモナコ国際映画祭で最優秀男優賞に輝き、現地には行けなかったが「時差があるので朝、テレビ電話で報告を受けました。そんなこともあるんだあと、まだちょっと人ごとです」と控えめに喜びを語る。そして、満を持しての東京・テアトル新宿での公開に毎熊は「うれしい誤算というか、運のある映画ですね」と相好を崩す。「東京から故郷に帰る男の話だから、東京の人にこそ見てもらいたかった。3日間で撮ったからこその疾走感が出たので、この映画にとっては良かったと思う」とアピールした。

 ◆毎熊 克哉(まいぐま・かつや)1987年(昭62)3月28日生まれ、広島県出身の32歳。監督志望から俳優に転身し、2010年に初舞台「TIC―TAC」で初主演。16年「ケンとカズ」で毎日映画コンクール・スポニチグランプリ新人賞などを受賞。

続きを表示

この記事のフォト

2020年3月10日のニュース