【CBC賞】ガウディー鋭伸圧巻11秒9 今度こそ“最強の1勝馬”卒業だ

[ 2020年7月2日 05:30 ]

森裕騎手を背に坂路で追い切るクリノガウディー(撮影・亀井 直樹)
Photo By スポニチ

 サマースプリントシリーズ第2戦・CBC賞は今年は阪神開催。高松宮記念で1位入線も4着降着のクリノガウディーが雪辱を期す。

 勝つことでしか汚名はそそげない。クリノガウディーの動きには気持ちがこもっていた。森裕(レースは横山典)を背に坂路で単走。序盤は折り合いに専念。ラスト、軽く気合をつけられると待ってましたとばかりに馬が反応した。鋭く四肢が回転する。1F11秒9。圧巻。そして真っすぐ伸びた。藤沢則師も満足げだ。「1週前に目いっぱいやったので、しまい重点。森も“柔らかくなったし仕上がっています”と言っていた。思った通りの調教ができた」

 鬼気迫るほどに馬を追い込んでいる。先週水曜の坂路で4F50秒4の一番時計。高松宮記念最終追いのタイムを0秒2更新する自己ベストだ。最終追いの1F11秒9もサンキューユウガ(11秒8)に次ぐ2位タイだ。「トモがしっかりして全体的なバランスが良くなった」。指揮官も驚く瞬発力だ。

 高松宮記念で1位入線も4着降着。藤沢則師にとって開業22年目でのG1初制覇は目前だったが幻に。「実感はないが1位で駆け抜けてくれた。1200メートルへの適性はあると思っていたし、思った以上に激走してくれたが…」。あまり感情を表に出さない指揮官だが、悔しそうに振り返った。

 成績上は1勝馬ながら課されたハンデはトップの58キロ。これは仕方ない。高松宮記念は2着馬グランアレグリアが安田記念を勝ち、3着ダイアトニックも函館スプリントSを制した。ハンデキャッパーも実力を認めた証拠だ。

 今年初戦の東京新聞杯(3着)で騎乗した横山典とのコンビで再出発。「毎週のように“追い切りどうだった?”と連絡をくれる。前回乗った時もうまく乗ってくれたから。“最強の1勝馬”と言われるが、その呼ばれ方は早く外したい。2勝目を…」。名手に託す雪辱の一番だ。

 ▽高松宮記念VTR 4角3番手のクリノガウディーが直線、外から勢い良く伸び、逃げるモズスーパーフレア(1着)を残り100メートルで捉えた。だが、この時に斜行してダイアトニック(3着)とモズの動きを妨害。クリノは1位入線したが、17分の審議の末に4着降着となった。

続きを表示

2020年7月2日のニュース