東京パラ1年延期で、国内競技団体困惑 知的障がいの選手には精神的な負担も

[ 2020年3月25日 20:57 ]

東京パラリンピックまでのカウントダウン表示が消えた東京駅丸の内口(撮影・会津 智海)
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 新型コロナウイルス感染拡大の影響で東京パラリンピックの1年延期が決定したことを受け25日、国内の各競技団体からは戸惑いの声が上がった。

 パラ水泳では3月6~8日の日本代表選考戦が新型コロナウイルスの影響で中止となり、5月22~24日のジャパンパラで代表選考が実施される予定だった。しかし、東京パラリンピック1年延期の決定を受けて、5月のジャパンパラでの選考レースは中止。現在、選考や予選会の見通しは立っていない。日本知的障害者水泳連盟の関係者によると、3月の選考戦中止が決定したときには、結果が受け入れられず精神的に不安定になってしまった選手もいたという。「立ち直って5月の大会に向けてみんなやってきていた。競技に支障は出ると思う」と懸念した。

 現在最も多くの内定者を輩出しているのがパラ陸上で、計16選手が東京パラリンピックの代表に内定している。日本パラ陸上連盟関係者は「開催時期を早く決めてもらわないと、残りの選手の代表選考や強化の日程が立てられない。選手が一番混乱している」と語った。

 実際に東京パラリンピックに400メートルと1500メートルで内定している佐藤友祈(30=WORLD―AC)が「内定者も選考し直しかな」と投稿すると、走り幅跳びで内定の前川楓(22=チームKAITEKI)は「どうなんですかね…選考し直しになったら悲しいですけど、もうやるしかない!って感じですね!」というやりとりが行われていた。

 視覚障がいの選手が対象のゴールボールでは、23日に内定者が出そろったばかり。日本ゴールボール協会の関係者によると「延期は想定外。今後の見通しはまだ立っていない」と困惑した様子を見せた。

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2020年3月25日のニュース