小池都知事 延期五輪、来夏以外ならマラソン&競歩「やっぱり東京がいいですよね」

[ 2020年3月28日 05:30 ]

小池百合子都知事
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 東京都の小池百合子知事(67)は27日、延期が決まった東京五輪の開催時期が来夏以外となった場合、札幌に移転した陸上のマラソンと競歩の競技会場を東京に戻すべきとの考えを示した。都庁で報道陣の取材に答え、同日出演した民放テレビ番組でも語った。今後は国際オリンピック委員会(IOC)や大会組織委員会などとの協議で主張する構えだ。

 小池知事は民放番組で、東京五輪の延期時期が春か秋になった場合も「マラソンは札幌のままか」と問われ、「やっぱり東京がいいですよね。だって暑さが理由で変わったわけですから」と語った。都庁での取材では、新たな開催日程について「新型コロナ感染症が収まっていることが大前提」とした上で、暑くない時期ならばマラソンと競歩の東京開催を希望する考えを表明。「当然だと思う。都民はそれを望んでいると思う」と述べた。

 酷暑が懸念されていた東京五輪のマラソンと競歩は昨年10月、IOCが札幌へ移転する計画を突然発表。小池知事は最終的に受け入れながらも、「合意なき決定だ」と不満を示していた。延期された東京五輪の開催時期について、IOCは国際競技連盟(IF)の一部から要望がある春開催も検討。組織委の森喜朗会長は「(開催計画の)基本的なフレームは変えない」と“東京コース復活”を否定しているが、気象条件が変われば札幌開催の根拠は薄くなる。

 東京五輪のマラソンは東京より気温が低く、ほぼ平たんな周回コースを使う札幌移転により、従来の五輪のようなスローペースではなく高速レースも予想されていた。男子代表の服部も「夏のマラソンというよりは冬のマラソンという形で準備していきたい」と話していたが、会場が東京に戻れば再び戦略変更を余儀なくされる。

 東京五輪のマラソン代表は男子の中村、服部、大迫、女子の前田、鈴木、一山の6人が決定済み。日本陸連の瀬古利彦マラソン強化戦略プロジェクトリーダーは五輪延期を受けて「3年かけて勝ち取った権利を急に取り上げるというのはできない」と再選考しない方針を明かしている。

 【東京五輪・マラソン経過】
 ☆19年9月27~28日 ドーハの陸上世界選手権女子マラソンで棄権者が相次ぐ
 ☆10・8 東京五輪・パラリンピック組織委員会が五輪チケットの2次抽選販売延期を発表
 ☆10・15 東京都の小池百合子知事が組織委の武藤敏郎事務総長から札幌開催案の状況を伝えられる
 ☆10・16 IOCがマラソンと競歩を札幌開催に変更する代替案の検討に入ったと発表
 ☆10・17 IOCバッハ会長が「IOC理事会と大会組織委は札幌市に移すことに決めた」と発言
 ☆10・25 IOCのコーツ調整委員長が小池氏と会談。移転案を撤回する可能性はないと明言
 ☆10・30 調整委と組織委、東京都などの合同会議が都内で始まる
 ☆11・1 東京都、IOC、東京五輪・パラリンピック組織委員会、政府の4者が協議し、札幌開催を発表

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