冷食で新商品数を絞る傾向が継続、メーカー別は日清フーズが最多の18品を発売/2019年秋の動向

本紙「冷食日報」編集部が集計した2019年秋の家庭用冷凍食品新商品(リニューアル品除く、夏季の期中発売含む)は、19社から140品が発売された。

2018年秋(18社145品)を下回り、2017年秋の19社125品は上回ったが、近年では少なめの結果となった。また、主要10社の新商品数は105品と、前年の95品を上回ったが、過去10年では3番目に少ない数となった。年間の商品数は合計276品で、前年と同数だったが、こちらも過去10年では3番目に少なかった。2016~2017年ごろから、新商品アイテム数を絞り気味にする傾向が続いている。今秋の新商品について、メーカー、カテゴリー別の傾向を見ていく。

〈日清フーズが「THE PASTA」刷新等18品で最多/メーカー別新商品数〉
メーカー別で新商品の発売数が最も多かったのは、18品を発売した日清フーズだった。パスタの主力ブランド「マ・マー THE PASTA」を全面刷新し、新商品として発売したため、同ブランドだけで15品の発売となったことが押し上げた。年間でも29品と、前年の14品から2倍以上となった。「THE PASTA」以外の新商品は3品と多くはない。既存品2品が機能性表示食品の認証を得ている「マ・マー わたし思いの もち麦リゾット」からも新商品1品「濃厚チーズクリーム」を発売。洋風惣菜「Smart Table」も新商品としてプチスパゲティ2品を発売した。

2番目に多かったのは、マルハニチロで17品。そのうち弁当品が9品と、今季断トツで多かった(2位は極洋、テーブルマーク、日本ハム冷凍食品の4品)。また、同社は今季、「新個食宣言」を掲げ、袋のまま調理してそのまま食べられるという新機軸の米飯「WILDish」シリーズを一挙に5品発売したほか、ワンハンドピザとしても食べられるピザ「もっちりマルゲリータ」、紙トレイ入りのドリア「HARAPEKO ごはん 緑黄色野菜とベーコンのドリア」と、個食系のラインアップを増やしたことも押し上げた。食卓おかずでは、分厚さを売りにした「おいしいおかず ガブッと!」シリーズに「海老カツ」を投入した。なお、同社の年間新商品数は32品と最多だった。

以下、ニチレイフーズが15品、テーブルマークが12品、日本製粉が11品、日清食品冷凍が10品と続く。

ニチレイフーズは、6月1日発売の丸いおにぎり型米飯商品「まぁるい」シリーズ2品や、7月1日発売の「たいめいけんドライカレー」と期中発売品も含めた数字。それらも含めて、「ささみソースカツ」など食卓おかず4品、「トリュフ香る3種のきのこのバターピラフ」などIQF 米飯3品、「まぁるい」シリーズ3品、「お弁当にGood!」シリーズの弁当品2品、スナック(今川焼ベルギーチョコレート)1品、「そのまま使える」シリーズの冷凍野菜2品と、満遍なく商品を投入しているのが目につく。

テーブルマークも「麺屋武蔵監修 魚介豚骨ラーメン」といった具付き麺3品、「ミニパックさぬきうどん 6食」など 素材麺2品と麺類合計5品、「あさりごはん」など米飯2品、「国産若鶏のから揚げ 旨辛キムチ味」のおかず1品、「かぼちゃ煮風天ぷら」など弁当品4品と、強みのあるカテゴリーに満遍なく商品を投入している。

〈冷食日報 2019年9月24日付〉