〈SMT2019〉4展示会合同で2,200社・団体が出展、USMEFは「ポンドステーキ」や「低温調理」で売上向上の施策を提案

「三ツ星アメリカン・ポーク」の提案
スーパーなど流通業者の専門商談展示会「スーパーマーケット・トレードショー(SMT2019)」が13日、千葉市美浜区の幕張メッセで開幕した。15日までの3日間の開催。今回は外食・中食業界の展示会「第4回外食FOODTABLE」「デリカ・テッセン・トレードショー2019」「第14回こだわり食品フェア2019」の4つの展示会が合同で開催される。展示規模は2,176社・団体(3,568小間)に上る。

本紙関連では、SMT中心に海外ボードやメーカーなどが参加。このうち、海外ボード関係では、米国食肉輸出連合会(USMEF)が、〈1〉N.B.P.Japan Inc.(チルドビーフ)〈2〉TREXCORP Inc.(44Farms のビーフ)〈3〉SmithfieldFoods,Inc.(チルドポーク)〈4〉Jones DailyFarms(ハム・ソーセージ類)――の4社と合同で出展。USMEFでは、精肉売り場の売上げ向上のためのさまざまな施策を提案しており、アメリカン・ビーフの「ポンドステーキ」や「USビーフのステーキ肉で作るぜいたくハンバーガー」、アメリカン・ポークで「かんたん低温調理」のメニュー提案や、「三ツ星アメリカン・ポーク」を提案している。

アメリカン・ビーフでは、アイダホフィンガーステーキ、プルコギッシュ、ステーキ、ハンバーガーを試食提供している。フィンガーステーキ、プルコギッシュは今回初のメニュー提案となり、アイダホ州のソウルフードとして親しまれているというフィンガーステーキは、チャック・アイ・ロールやクロッドを細長くカットし、てんぷら粉で揚げたもの。居酒屋などに向け、スナック感覚の食べ方を提案する。またプルコギッシュは、うす切りの食べ方を提案するメニューとして紹介する。

4~6月には昨年に引き続き、ポンドステーキを訴求するキャンペーンの実施を予定しており、顧客からも“かたまり肉”のニーズが多く、販売を強化していきたいという声が多いという。また、夏にかけてはハンバーガーチェーンとのコラボで「USビーフのハンバーガー」を訴求していく方針だ。

アメリカン・ポークでは、「かんたん低温調理」のメニュー提案として、炙り塩豚や、ヒレカツ、ロースステーキなどを試食とともに提案。また、試食ではバックリブを揚げたフライドバックリブも新たなメニューとして提案している。低温調理については認知度も高まり、リテールでもさまざまなメニュー提案が増えてきているという。そのほか、「三ツ星アメリカン・ポーク」と題し、アメリカン・ポークのジューシー、おいしい、やわらかいという3つのポイントを訴求するコンセプト提案も行っている=写真。アメリカン・ポークでも、4月1日~6月30日にかけてオープンキャンペーンとして「ごちポの日キャンペーン」を実施する。店頭を盛り上げる連動施策として、ごちポのシールなどがゲットできる店頭用のミニガチャ什器も提案していく予定だ。

〈MLAは厚切りステーキ提案と、現地輸出業者10社による幅広い商品群を紹介〉
MLA豪州食肉家畜生産者事業団では、豪州輸出業者10社と共同で「オージー・ビーフ&ラム パビリオン」を設置。ブースでは、販促物の展示のほか、アンガス・ビーフの厚切りステーキを体験できるライブキッチンを構えている。家庭では難しいと思われがちなステーキの焼き方や、厚切りならではのおいしさと魅力について、試食を通して体験してもらっている。ライブ感満載のキッチンでは、ステーキを焼き始めると同時に多くの人が足を止め、オージー・ビーフの味を確かめていた。

「オージー・ビーフ&ラム パビリオン」

「オージー・ビーフ&ラム パビリオン」

そのほか、輸出業者10社のブースでは、プレミアムグラスフェッドやグレインフェッド、ラム、加工品などを提案・紹介している。▽Arcadian Organic:ホルモン剤・抗生物質フリーのオージー・ビーフ▽Rangers Valley:豪牛WAGYUとアンガス・ビーフのローストビーフの食べ比べ▽Thomas Foods:チルドマトン▽Jack’sCreek:長期肥育の豪州WA G Y U ( F 1) ▽Borthwick Foods:アンガス・グルメバーガー――など、幅広い商品群を訴求している。
 
カナダビーフ国際機構では、TPP11発効によりカナダビーフへの問合わせや引合いが高まっているなか、ブースではさまざまな部位を提案。試食では肩ロースのステーキやタンの試食を振る舞っている。会場でも多くの人が足を止め説明に聞きいっており、関心の高さが伺えた。
 
同機構の鬼沢裕子シニアマネジャーは「展示会を通して、TPP11による価格でのメリットだけでなく、カナダビーフの品質の良さについても訴求していきたい。品質の良さを理解していただけることで、長期的な取り扱いにつながるよう、プロモーションしていきたい」としている。また、カナダのオンタリオコーンフェッドビーフでは今回初めて独自にブースを設置。品質の良さや地産地消のストーリー性を紹介している。オンタリオコーンフェッドビーフは、iTQi(国際味覚審査機構)で3年連続の優秀味覚賞3つ星を獲得するなど、おいしさについても評価されている。ブースでは、通常の部位とともに、ムキタンやストリップ・ロインのポーションカットなど日本向けの商品を展示している。
 
日本市場でオンタリオコーンフェッドビーフのブランドマーケティング及びプログラム管理の業務契約を請け負っているグローバルミートアライアンス合同会社の下嶋大介氏によると、現在、地方スーパーなどで取扱いが増えてきているなか、「今後も消費者向けのプロモーションなど、戦略的な拡販に取り組んでいく。カナダビーフのなかでも、プレミアムなビーフとして品質良さを訴求するとともに、カナダでの地産地消のパイオニアとして、ストーリー性についても伝えていきたい」と紹介した。
 
〈畜産日報 2019年2月14日付〉