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前川 ミチコ
2018年1月15日 (月)

「1階」を視野に入れた部屋探し、メリット&注意点は?

「1階」も視野に入れて上手な部屋探し
写真/PIXTA
部屋探しの希望条件のひとつに、なんとなく「2階以上」を入れていないだろうか。1階といえば家賃の安さが魅力だが、実はそれ以外にも1階ならではのメリットがある。さらに、以前は不安視されがちだったポイントも、最近ではかなり改善されていることもあるそう。実際、どんなメリットがあるの? 賃貸物件を多くもつ大東建託と、安全生活アドバイザーの佐伯幸子さんに教えてもらった。

「2階以上でないとダメ」の思い込みは初心者ほど強い?

駅から徒歩○分以内、広さは○m2以上……などと住みたい部屋の条件はさまざまだが、このひとつに「2階以上」を挙げる人もいる。どちらかというと、部屋探しの経験が多いよりは少なめの人、男性よりは女性のほうが「2階以上」にこだわる人が多い傾向にあるようだ。

実際には「1階だから侵入されやすい、と思い込んでいる人は多いです。しかし部屋に侵入されるのは、階にかかわらず『無施錠』によることも多いよう。さらに近年では、設計や住宅設備の工夫によって防犯性を高めた物件が増えてきています」(大東建託)。

それでも、やはり1階は「セキュリティ面が不安」、「プライバシーが保てないのでは?」と考える人が多いだろう。こういう悩みを解決するには、どんな部屋を選べばいいのだろうか?

「多くの人の目に触れやすいところに窓が面していれば、防犯性が高まります。視認性の高い物件は、部屋の中を覗きながら歩くこともしにくくなるためです」。実際に、警察庁の調査(※)によると、侵入者が下見を行う際に気にすることは「人通りや人目が少なくないか」が1位となっている。ただし、夜間には明かりのついた室内は外からの視認性が否応なしに高まってしまうので、カーテンを引くなどの配慮は必要だろう。
警視庁 住まいる防犯110番

では、セキュリティ面も考えつつ、プライバシーを保つなら、どんな物件を選べばいいのだろう? また住むときの注意点とは? 安全生活アドバイザーの佐伯幸子さんに聞いてみた。

「敷地内外の仕切りはブロック塀よりもフェンスのほうが人の目に触れやすく、防犯性が高まります。窓下の地面などに、足音が大きく鳴る防犯砂利が敷いてあるとさらにいいでしょう。また、浴室乾燥機や室内物干しが備わっていると、洗濯物を外に干さずに済むので盗まれるのを防げます」

入居してからできる工夫もある。「女性が選びそうな色柄のカーテンより、性別が分かりにくいものがオススメ。窓からの侵入を防ぐには、窓の上下に補助錠を取り付ければ安全性がアップします」

つまり部屋の選び方や、入居後の窓まわりのちょっとした工夫により、1階の安全性は大きく変わる。物件によってはメリットいっぱいのケースも多いので、一概にダメと決めつけず、幅広く検討してみるのがいいだろう。

ズバリ! 1階のメリットって?

1階の最大のメリットといえば、なんと言っても「家賃が安め」に設定されていること。同じ条件で2階以上の物件と比べた場合、「ワンルームの部屋でも数千円以上の違いが出ることがあります」。そして、家賃の安さ以外にもさまざまなメリットがあるのでまとめてみた。

●1階の主なメリット

□ 音のストレスから解放される(下の階に音が響くのでは?という気遣いが少なくてすむ)
□ エレベーターの待ち時間がない(通勤時間のラッシュ、点検時の運転停止による足止めがない)
□ 重い荷物を持っての移動がしやすい(ベビーカーを押して、買い物袋を持っての移動がラク)
□ 専用庭、床下収納があるケースも(1階ならではのプランを満喫)
□ 物件によっては、夏は涼しく過ごすことができる(冬の防寒対策にはさまざまな方法がある)
□ 玄関の近くに駐車場がある場合は、駐車場との行き来がしやすい

物件にはさまざまな条件があるため、一概にどんなタイプがいいとはいえないが、気になるポイントに対して解決策があり、なおかつ自分のライフスタイルに合っていれば、リーズナブルに大満足の部屋にたどり着くことができるかもしれない。1階を頭ごなしにNGと決めつけず、視野を広げ、後悔のない部屋探しを。

●取材協力
・大東建託株式会社
・安全生活アドバイザー 佐伯幸子
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