絵本から紅葉狩りに出かけよう♪あの頃に見た美しい秋をおぼえていますか?
2020年10月22日
誰かを思いながら冬ごもりしたくなる/たのしい ふゆごもり(福音館書店)
作者の片山令子さんはエッセイで、本は窓に似ていると語りました。「ピーターパンがウェンディを連れ出した窓のように、どんな時でも、どんなかっこうをしていても、何も持っていなくても、いきなり出かけていける窓なのです」と。夫である片山健さんが描く秋の山はとても美しく、ワクワクする楽しさであふれています。それぞれのおうちで温かく過ごし、愛する人を思い出す幸せ…。寝る前におすすめの一冊です。
たのしい ふゆごもり/片山令子 作・片山 健 絵(福音館書店)
※参考:『惑星』片山令子(港の人)
里山の恵みいっぱいに暮らすネズミ大家族/14ひきのあきまつり(童心社)
「14ひき」のシリーズは、いわむらかずおさんの超ロングセラー絵本です。四季折々の里山のスローライフを、ネズミ目線で追体験。『あきまつり』など秋が描かれている作品は、画面いっぱいに広がる紅葉や豊かな実りに心が踊ります。また、引っ越しをして新生活を始めたりお風呂を作ったり、その丁寧な暮らしぶりからも目が離せません。なにより日々のごはんの美味しそうなこと! 家族それぞれに個性や役割があり、世代ごとの視点で日常の楽しさを味わえる絵本です。
14ひきのあきまつり/いわむらかずお(童心社)
※14ひきのシリーズ詳細はこちら
金色にけむった秋の森は不思議でせつない/もりのかくれんぼう(偕成社)
末吉暁子さんはNHK教育テレビ『ざわざわ森のがんこちゃん』シリーズの原作・脚本などで知られる児童文学作家です。また、林明子さんは『はじめてのおつかい』『こんとあき』をはじめとする数々の作品で、多くの方がいちどはその絵を目にしたことがあるのでは。優しいタッチで描かれた表情やしぐさからは、幼いこどもの心情がリアルに伝わってきます。大人になって思い出すと切なくなるような、あの頃の不安な気持ちや夕焼けの赤さ。黄金色に色づいた森のページでは、動物たちが絶妙な隠れ方をして楽しませてくれますよ。
もりのかくれんぼう/末吉暁子 作・林 明子 絵(偕成社)
字のない絵本の中で自然は廻り美しい歌をうたう/木のうた(ほるぷ出版)
イエラ・マリさんは、字のない絵本の先駆者として知られる絵本作家です。『木のうた』『あかい ふうせん』『りんごとちょう』など、その作品は10冊に満たないのですが、芸術性の高さだけでなく科学性をも失わない絵本として世界中で愛読されています。文字がないからこそ、どの国の人でも、あかちゃんでも、見たままを自由に楽しむことができるのですね。四季とともに移り変わる木の姿と、そのまわりで暮らす生きものたちの営み。美しい絵だけでみちびかれる時間の流れは、ぐるりと廻って最初に戻り、不思議な精神性も感じさせます。
木のうた/イエラ・マリ(ほるぷ出版)
紅葉狩りしてみたい絵本は、ありましたでしょうか? 秋の夜長、どうぞ温かくしてゆったりとお過ごしくださいませ。
<参考>
『クレヨンハウス』公式サイト