度肝を抜いた。第5回WBCに臨む侍ジャパンは6日に阪神と強化試合を行い、8―1で快勝した。インパクトを残したのは大谷翔平投手(28)だ。チーム合流後、初の実戦に「3番・DH」で先発出場し、3回、5回と2打席連続の3ランを放った。日本が誇る二刀流男には1次ラウンド同組で10日に対戦する韓国も、一挙一動に注目。大谷を〝聖人〟としてあがめる向きがある一方、ナゼか「失望させられた」こともあったという。一体どういうことなのか。

 侍の〝SHO TIME〟に京セラドームが騒然となった。まずは3回二死一、二塁の第2打席だ。大谷は相手先発・才木が投じたフォークに体勢を崩されながらも、左ヒザをついたまま強振。右手一本でバックスクリーン右へ3ランを叩き込んだ。

 それだけでは終わらない。続く5回二死一、二塁の第3打席も2番手左腕・富田の高め142キロをとらえた。バットが折れ、やや詰まっていた当たりだったものの、打球は右中間席へ。2打席連続の3ランに球場内のざわめきはしばらくの間、収まらなかった。

 試合後の大谷はお立ち台で「今日初めてのゲームだったんですけど、いい雰囲気で本当に全員が戦えていると思う」とコメント。最後に「まだまだ声援が足りないので、もっともっと大きい声援をよろしくお願いします」とスタンドに呼びかけると、嵐のような大喝采を浴びた。

 この一戦から侍ジャパンのメジャーリーガーたちも実戦出場が解禁となった。WBCを目前に控えた〝初陣〟でいきなり自慢の打棒を大爆発させた大谷には、日本を徹底マークする韓国も負けず劣らず、スーパースターの動向に熱い視線を注ぎ込んでいる。

 この日の試合前練習でも、フリー打撃で6本の柵越えを放った大谷の様子を多くの韓国メディアが凝視。前日5日に大阪市内で行われた侍ジャパンのピックアップ練習にも同国メディアの取材陣が数多く訪れ、周囲に日本語で「オオタニはどこにいますか?」と聞いたり、大城(巨人)の姿を見つけると「オオタニ、オオタニ」と勘違いしながら追いかけまわしたりするシーンも見られたほどだった。

 今回のWBCの取材で日本を訪れている韓国メディア関係者の1人は「オオタニは韓国国内でも非常に人気が高い。彼は韓日親善の架け橋になれる存在としても、ひときわ注目を浴びている」と打ち明ける。

 反日ムードが漂う同国国内では侍ジャパンの選手たちを何かと〝敵視〟する傾向が強いが、大谷だけは別格で「聖人扱い」されている。前出の韓国メディア関係者によれば「彼は韓国代表チームに対しても『素晴らしい野球をしている』『素晴らしい選手が多い』などと絶賛していて、韓国を敵視していない。だから韓国国民からも好感度が高い」とのことだ。

 だが、そんな韓国国内での大谷株が、つい先日〝急落〟する出来事があったとのこと。1日にチャーター機で帰国した大谷は翌2日午前中に東京・在日米国大使館を訪問した。これが韓国国内でもニュースとして取り上げられると、多くの韓国国民が「ガッカリさせられた」という。

「韓国の大谷ファンは、SNS上でも『どうして韓国大使館を訪問してくれなかったんだ』『米国でプレーしているのだから米国大使館へわざわざ足を運ぶ必要はなかったのではないか』などと嘆いている。韓国に友好的な大谷だからこそわれわれはあの一件以来、残念という思いしかないんだ」(前出の韓国メディア関係者)

 どうして大谷が韓国大使館を訪れなければいけないのか。その理由はさっぱりわからないが…。いずれにせよ、スーパースター・大谷は韓国でも、それほどの影響力のある存在ということか。