衝撃のニュースは、米メディアの徹底取材で明らかになった。ドジャース・大谷翔平投手(29)を公私で支えてきた水原一平通訳(39)が20日(日本時間21日)、球団から解雇された。

 連邦捜査当局が調査している南カルフォルニア州のブックメーカーに多額の借金をつくり、大谷の口座から少なくとも450万ドル(約6億8000万円)の電子送金が行われたことが判明。大谷自身はギャンブルに興じておらず、自らの口座を通じて違法なブックメーカー側に送金したのは、水原通訳の負け分を補填するためだったという。

 MLB機構は所属選手や従業員に対し、野球以外のスポーツに賭けることを許可しているが、違法なブックメーカーと取引を持つ行為は禁じており、もし関係を持った場合は厳重な処罰対象となる。水原氏の一件を巡っては今回のタイミングで明るみに至ったが、米ESPNなどは同通訳がギャンブル依存症に陥っていたことを把握した上で水面下で徹底取材を進めていた。

 ESPNから直接取材を受けた水原氏は「大谷が賭けに全く関与していなかった」点を強調した上で、自らの行為が「違法であることを知らなかった」と説明。後悔の念を抱き、二度とスポーツ賭博に関与しないことを誓ったという。

 同メディアの追及に水原氏は「決して野球には賭けない」と言い切り「それは100%。(処罰対象となる)そのルールは知っていた」と告白。海外サッカーやNBA、NFL、カレッジフットボールへの賭けを認めた上で、エンゼルス時代には年間30万ドル(約4500万円)から50万ドル(約7500万円)の給料をもらっていたという。

 水原氏は2021年に違法賭博の首謀者とされるマシュー・ボウヤー氏と米サンディエゴで行われたポーカーゲームの会場で知り合い、そこから直接の信用取引を重ねて賭博行為に深くはまり込んでいった。借金は22年までに100万ドル(約1億5000万円)に膨らみ、その後も雪だるま式に負債が積み重なっていったという。

 インタビューに「すべて私の責任で、私がしたこと」と語り、その責任をすべて受け入れる姿勢を示した水原氏。大谷のメジャーでの成功を支えてきた縁の下の力持ちにあって、あまりにも衝撃的な事実だった。