巨人は18日、ナゴヤドームでの中日戦に1―3で逆転負けし、優勝マジックは「4」で足踏みとなった。気がかりなのは、コンディション不安のため今季初めてスタメンから外れた坂本勇人内野手(30)だ。不動のレギュラーとして遊撃の激務をこなしてきたが、さすがに疲労困ぱい。背番号6の負担軽減へ、二遊間コンビを組む真の相方の登場が待たれている。

 準完全試合ペースが7回に暗転した。先発の高橋は、先頭の福田にこの日初安打を許したのを皮切りに一死二、三塁のピンチを招いて降板。2番手の大竹が内野ゴロの間に同点とされ、3番手を託された田口が大島に痛恨の勝ち越し2ランを浴びた。

 9安打を放った打線も1点止まり。原監督は「ちょっと打線が湿ってるね」と振り返り、笑みを浮かべながら「吉村(打撃)総合コーチによろしくお願いしますって」とチクリとやった。

 最短優勝は20日に変わりはないが、不安視されるのは坂本勇のコンディションだ。16日の阪神戦(東京ドーム)で足の張りを訴えて途中交代し、シーズン135試合目にして初のベンチスタートとなった。8回に代打で出場し、ロドリゲスの直球に詰まらされて遊ゴロ。本人は「なかなか簡単に打たせてくれる投手じゃないので。明日は状態を見てですね」と言葉少なで、指揮官も19日以降のスタメン復帰に「明日になってみないとね」と明言は避けた。

 ここまで打率3割1分、自己最多の36本塁打に89打点と攻守でチームをけん引してきた。ただ、来季以降は年齢的にもどれだけ負担を減らせるかも焦点となってくる。三塁にコンバートするプランも考えられるが、坂本勇に取って代わる遊撃手も出てきておらず、現状で首脳陣の念頭にはない。

 では、どうするべきなのか。球団OBからは「不動の二塁レギュラーが不可欠」との声が上がっている。

「中日時代の“アライバ”がいい例。長い間、二遊間でコンビを組んでお互いを知り尽くしていた。相手がどういう動きをするか、どこまで守れるか、自分はどう動けばいいかをあうんの呼吸で判断できていた。それだけでも負担は全然違う。二塁が取っ換え引っ換えの今の状況では勇人の負担は増すばかり。このままだと潰れてしまう」

 今季こそ正二塁手をと期待された吉川尚は腰痛で開幕早々に離脱。若林、山本、田中俊、増田大、吉川大らで回してきた。必死のやりくりで首位の座を守っているのも事実だが、固定できるまでには至っていない現状も浮き彫りとなっている。

 果たして、坂本勇をバックアップできる真の相棒は現れるのか。それとも、外部から新戦力を引っ張ってくるのか…。結局、今季も解決されなかった「二塁手問題」は来季の喫緊の課題となっている。