西武は20日の楽天戦(メットライフ)に代打・メヒアの6号サヨナラ2ランで5―3の劇的勝利。優勝マジックを自力で4とした。

 本拠地最終戦を白星で飾った辻監督は「もうとっておきだよ!」と松井に対し打率5割5分6厘、3本塁打のキラー・メヒアの仕事ぶりを大絶賛。試合後の本拠地最終戦セレモニーではファンに向けて「(優勝が)そこまで来ています。明日からこの球場を離れますが、その中で必ず2連覇を達成したいと思います」と仙台、千葉でのV2胴上げを力強く宣言し、満場の大声援を受けた。

 残り5試合はすべて敵地(仙台4試合、千葉1試合)。仮にこの試合を落としていれば、ソフトバンクに1ゲーム差と迫られ「M4」からゴール前でまくられた2010年の悪夢が頭をよぎるところだった。

 しかし、ベンチが試合展開を冷静に読み、とっておきのジョーカーを最高の場面で切り、選手が応える。1998年以来のリーグ連覇に突進する今の西武に死角は見当たらない。
 サヨナラのお膳立てを整えたのは3―3の同点に追いつかれた7回二死一、三塁のピンチをしのいだ3番手・小川であり、8回の上位打線を三者凡退で退けた今季78試合目登板の「鉄腕」平井だった。

 平井は球団の前身・西鉄の大エースだった故・稲尾和久氏のパ・リーグシーズン最多登板記録に並んだことに「まだ(シーズンが)終わっていないので何ともいえない。チームが勝つことが大前提。時間もないので終わってどう思うかですね。でも稲尾さんは400何イニング(404回)投げてるし、全然超えたとも思っていない」と謙虚に答えながらも「チームが勝てるのであれば無限に何連投でも投げます」。

 西武特急は終点へ、一直線だ。