セ・リーグのCSファーストステージ第2戦が6日、横浜スタジアムで行われ、DeNAが阪神に9回、6―4の劇的サヨナラ勝利で対戦成績を1勝1敗の五分にした。8回から登板の守護神・山崎が9回二死に福留に同点ソロ。土壇場で追いつかれたが、その裏に代打・乙坂が右翼席に2ランを放った。巨人の待つファイナルステージ進出チームは7日の第3戦で決まる。

 試合後のアレックス・ラミレス監督(45)は、乙坂の代打起用について「2年前の泥んこ試合(阪神とのCS)で3ランを打った乙坂が急にフラッシュバックした。120%、フィーリングです」。データ度外視であったことを明かした。

 とはいえ、この日も指揮官は自らのデータにのっとり、短期決戦ならではの奇策を貫いた。現在、ブルペン待機に回っているエース・今永昇太(26)を3―2の6回から前日の第1戦に続き2試合連続で中継ぎ起用。守護神・山崎も1点をリードした8回のイニング頭から回またぎで投入した。

 結果として今永は上本に同点打を浴び、山崎も9回二死から福留に同点ソロを被弾。最後は何とか劇的アーチに救われたが、リスクも伴う“ラミ・マジック”が物議を醸しているのは確かだ。

 それでも選手たちは、そんなラミレス監督を信じて突っ走る覚悟を固めている。今永も本紙の直撃に「監督が信頼して送り出してくれた時にはね…。もうやっぱり監督のためにというか、チームのために一緒に潰れる気持ちでやりますよ。(先発でも中継ぎでも)どこでもやるぞという気持ちですね」と力強く言い切った。

 現状のブルペン待機についてもエースは「僕自身も正直、中継ぎで登板するということは頭になかった」と明かしながら、こう続けた。

「ラミレス監督の考えも聞いて自分も納得するところがあったし、じゃあチームのために投げようという気持ちにもなりました。僕としては最近忘れかけていた(自分の)実力を“バーン”と出すっていう投球がなかなか出なかったところもあったんです。初回の先頭打者から100%でいく。70%、80%で探りに行くんじゃなくて。100でまず投げていって、そこからの惰性だろうっていう感覚がやっぱりあるので。やっぱりそういう投球をもう一回思い出させてくれる。そういう起用法に僕自身は感謝していますね」

 そんなエースの熱い言葉こそが選手たちの総意。下克上日本一へ向け、ラミレス監督とともにまい進する。