ソフトバンクの3年目左腕・大竹耕太郎投手(24)が「筒香金言」を胸に飛躍を目指している。昨季は開幕から圧巻の快投を見せたものの途中で息切れ。今オフは1年間通しての活躍を目指し、大阪で3週間に及ぶ自主トレを敢行した。そこでともに汗を流したのがDeNAからレイズに移籍した筒香嘉智外野手(28)だ。海を渡る大砲から薫陶を受け、気づかされたことが多くあったという。

 鷹の若手左腕・大竹が3年目の飛躍に燃えている。昨季は開幕ローテ入りすると、初登板から6試合連続で7イニング以上を投げて2失点以下と快投発進。しかし、7月に急失速して5勝に終わり「1年持たなかったことが悔しい。自分の力のなさを感じた」。

 今季は体のバランスを整えることを目的に、知人を介して知った大阪の施設で3週間の自主トレを行った。そこで「トレーニングであったり、いろいろと教えてもらいました」と、ともに汗を流して薫陶を受けたのが筒香だ。

 メジャーに羽ばたく大砲から伝えられたのが「一人になれる時間を大事に」「練習や試合じゃなくて、一人になる時間が一番うまくなる」とのメッセージだったという。「(練習中の筒香は)本当に私語もないくらいシーンとしている。そういう、ほかに雑念がない状態だからこそ体と向き合える。空気づくりというか、そういうものを大事にしようと思いました。自分と向き合う時間を大事にしないといけないなと」

 そこで来月1日に始まるキャンプでは「できるだけ一人になれる空間で自分の体と向き合える時間をつくろうかな」と計画している。練習に行く前、帰ってきてから、自分の部屋で自分に向き合う。「自分の体の変化を感じることが大事だなと思った。周りの音がうるさかったりジャマなものがあると感じにくい。何も情報とかがない環境が大事と言われたので。そういう時間を大事にしようと思いました」

 野球に対してストイックで知られる筒香からはほかにも「目的と目標は違う。ちゃんと目的を忘れずに、そのために目標を立てていくようにしたほうがいい」とのアドバイスもされた。昨季の悔しさをバネに、大竹が数々の“筒香金言”を胸に刻んで覚醒を目指す。