巨人に「元木監督」は誕生するのか。昨季、5年ぶりのリーグ優勝に導いた原辰徳監督(61)が、まさかの“後継者問題”に自ら切り込んだ。任期は2021年シーズンまでで「ポスト原」の大本命は阿部慎之助二軍監督(41)ながら、元木大介ヘッドコーチ(48)の名前も浮上中。原監督、元木ヘッドが本紙に明かしたそれぞれの胸中は――。

 1日で最終回となった球団公式のインスタライブは、豪華ツートップの共演となった。撮影はめったに公開されない東京ドームの監督室で行われ、原監督と元木ヘッドが登場。指揮官は壁にズラリと額に収められた歴代監督の格言やサインを紹介しながら、不意にドッキリ発言を放った。

「何か…ヘッドが次(の監督)を狙ってるって?」。ニヤリと笑った指揮官に対し、元木ヘッドは「いやいや…。(自分の額は)どこに張ればいいですかね?」と絶妙な切り返しを見せる場面もあった。

 本紙では今春キャンプ中に次期監督候補について阿部二軍監督を軸としながら元木ヘッドも急浮上と報じたが、これには後日談もあった。当の元木ヘッドは「東スポの記事で(自分が)監督どうのこうのって、バカか!」と笑顔で“ツッコミ”。本紙記者が「それだけ評価が高いんです」と返すと「高くねえわ!」と一笑に付した。

 しかし、実は原監督の考えはまるで異なるものだった。元木ヘッドは巨人一筋を貫いて現役を引退。長らくタレント活動も行ったが、指導者としての手腕だけでなく「生え抜き」という巨人軍監督としての“条件”も満たしている。今季からヘッドに抜てきした理由を原監督に直撃すると「私自身も1年間、彼に伝えて教育もしたつもりだから。信頼というものはお互いにあると思う」と説明。そして「元木ヘッドが監督候補になる可能性は?」との直球質問に対しては「十分あるでしょう。十分あるでしょう」と、うなずきながら2度繰り返した。

 そんな指揮官の意向を元木ヘッドに伝えたところ「東スポだから『あるよ』って言っただけだろ!?」とやはり意に介さなかったが、原監督の評価と信頼は絶大なものなのだ。

 この日のトークの終盤で、原監督はここまで元木ヘッドに采配を託していたことを初めて明言しつつ「練習試合、オープン戦、紅白戦。ヘッドが指揮を執った時はいつも負けてる感じがするよ。いつも阿部(二軍)監督の方が強いんだよな。練習等々は任せられても試合を任せるのはまだ早いかな。オープン戦はほとんどあなた。だから勝率が悪い(笑い)。よし、明日からは自分でやる。分からないことがあったら相談する。サポーターとしては最高!」と爆笑を誘ったが…。現状では阿部二軍監督がリードということなのか。今後も目が離せない。