巨人の坂本勇人内野手(31)と大城卓三捕手(27)に新型コロナウイルスの感染履歴があった問題を受け、2日の練習試合の対戦相手・西武から不満の声が漏れている。

 3日午後2時開始予定だった練習試合が急きょ中止となり、夕方に巨人側から2選手が新型コロナウイルス感染について「微陽性」であったことが発表された。

 これに対し西武側は飯田球団本部長がオンライン取材に対応し「他球団さんのことなのでコメントは差し控えたい」としながら「今のところ、ライオンズに濃厚接触者はいないとジャイアンツ側から聞いているので現状で(抗体、PCR)検査の予定はしていない」と語り、今後の練習試合等の予定に変更はないとした。

 しかし、その一方で現場からは巨人側の情報開示の遅さを含め、対戦相手に対する配慮のなさに少なからぬ不満の声も出ている。

 実際に試合に出場した2選手感染の事実を知ったタイミングが夕方の報道を通してだったことで現場からは「一番大事な理由が伝えられないまま(午前中に試合)中止を通告されて自宅待機。そのまま悶々とした状況で夕方の発表待ちというのはおかしくないですか? 対戦相手に対する配慮に欠けている」とこの報告形式に憤りを語った。

 そして、何が「濃厚接触」に当たるかの定義を巨人は「1メートル以内で15分以上会話をした者」とし、疑いのある関係者計26人についてこの日PCR検査をしたことを発表したが、西武側は2日の試合でスタメンマスクをかぶっていた大城との“接触”について不安を募らせている。

「キャッチャー(大城)との距離感でいえばスタメンで出場した全野手に(感染)不安があるし、初回の打席で粘っていた森は大丈夫なのか、(2回に)ヒットで出塁した大城と(一塁手)山川の一定時間の距離間は大丈夫なのか…。さらに同じポジションで7回までマスクをかぶった森に他の選手以上のリスクはないのか…。詳しい情報や知識がないだけに不安は尽きない」(関係者)

 とりわけ西武は2日の試合で選手への感染リスクを極力削減するため自発的にベンチ入りの全ての首脳陣、スタッフがマスクを着用して試合に臨んでいた。

 辻監督は「万が一が怖いので。一人でも(感染者を)出しちゃいけない。我々はしっかりやっていこう」と用心に用心を重ねていただけに、巨人側の対応に少なからぬ不信感を募らせているようだ。