15年ぶりのリーグ優勝を目指す阪神で“意外なプラン”が温められている。矢野燿大監督(51)がナインを鼓舞するために繰り出してきたガッツポーズをプラチナ化するべきというものだ。

 就任1年目の昨季はチーム変革の象徴でもあった通称「矢野ガッツ」。選手ばかりでなくファンやメディアにもおおむね好評だったが、チームは優勝した巨人に6ゲーム差をつけられての3位に終わった。そのため首脳陣の間からは「ベンチの盛り上がりにも、メリハリが必要だった」との反省点も挙がっていた。

 指揮官のガッツポーズを否定しているわけではない。むしろ、その価値を高めるためにも、ここ一番での決めポーズにするべきとの考えがあり、キャンプ中には「去年は監督があえて自分をさらけ出し、喜怒哀楽の『喜』のみを意識して出してくれたが、もうワンランク上を目指そうと考えたら、監督が“何もしない日”は増えるべき」との声も聞こえてきていた。

 19日の巨人戦では開幕投手を務めた西勇がプロ初本塁打となる先制ソロを放った際に「矢野ガッツ」の今季1号も飛び出したが、最終的には逆転負け。指揮官は試合後に「俺の責任」と唇をかんだ。こうしたチグハグを防ぐためにも、数をセーブすべきということなのだろう。

 直近の阪神Vイヤーには、将のインパクトある発言やアクションがあった。2003年の星野監督時代には「勝ちたいんや!」。岡田監督がペナントレースを制した05年には指揮官自らマウンドへ赴き「むちゃくちゃやったれ!」と喝を入れたこともあった。もちろん「矢野ガッツ」にも、それらに匹敵する力はある。

 昨季12球団トップのチーム防御率(3・46)を誇った投手力が健在で、今年の阪神は前評判もいい。実りの秋に最高のガッツポーズを見せてもらいたいものだ。