プロ野球史上初の無観客公式戦に常勝軍団も四苦八苦している。ソフトバンクは21日のロッテ戦(ペイペイドーム)に1―5で敗戦。昨季8勝17敗と苦しんだロッテに1勝2敗で負け越しを喫した。

 チャンスにあと1本が出なかった。工藤監督は「しっかり切り替えるところは切り替えて、自分たちのやるべきことをやっていきたい。(相手を上回る9安打と)ヒットは出ている。あとはつながることができれば点が取れる」と前を向いた。

 その裏で3連戦を通じての球場演出の懸命な“進化”も実らなかった。球団サイドも待ちに待った開幕に気合十分。初戦は練習試合と同様に選手が打席に立ってからは無音だったが、2戦目からは急きょ攻撃時に応援の音声が流れるようになった。社内から「もっと球場を盛り上げたい」との声が上がったためだった。

 ただ、ナイター翌日のデーゲーム。突貫工事とならざるを得なかった。攻撃時に3パターンのシュールな応援のBGMがリピートで流れることになり、敗戦と相まってチーム関係者は「ないほうが良さそうだが…」と複雑な表情。ネット上のファンからも手厳しい声が上がっていた。

 もちろん、これでは終われない。3戦目は個別テーマやチャンステーマなど過去の応援音声が流れる形にレベルアップ。それだけに打線爆発で白星といってほしいところだったが…。勝利には結びつかなかった。

 次の本拠地開催は7月7日の楽天戦と間隔が空く。「一気に(応援演出を)改良して令和型のものにする方針です」(球団関係者)。チームとともにペイペイドームでの大勝利を目指して準備していくという。