阪神は23日のヤクルト戦(神宮)に4―1で快勝。開幕4戦目にしてようやく今季初勝利を挙げた。

 投のヒーローが7回途中を1安打無失点に抑えた青柳なら、打のヒーローは間違いなくジェフリー・マルテ内野手(29)だ。「4番・三塁」で先発出場すると1本塁打を含む4打数3安打2打点の大活躍。開幕3連敗とドン底にあえいでいたチームを自らのバットで救った。

 初回、糸井の先制適時打で1点を先制した直後に回ってきた一死三塁の第1打席。ヤクルト先発イノーア相手に9球目まで粘りに粘り、高めの直球を力強く強振すると打球は一直線に左中間席上段へ。序盤で大きく戦局を決定づけ「この瞬間を待っていた。自分としても、とても嬉しい時間になった」と胸を張った。

 来日2年目。今や堂々たる虎の主軸となりつつあるマルテは、プレーだけでなく精神面でも大きく変わりつつある。2月のキャンプイン当日に行われた全体ミーティングでは「(チームスローガンになぞらえて)日本語で『オレガヤル』って宣言してましたよ」と球団幹部も証言。その言葉通りキャンプ中には助っ人選手としては異例の早出特守をほぼ皆勤で敢行。ライバル・大山から定位置を奪取すべく不退転の決意を自らの姿勢で示した。

 チームにも馴染みつつあるのか、寡黙でクールな印象を与えてきたキャラクターも徐々に変化。チームメートらと冗談を交わし合う風景もしばしばみられるようになった。

 球団公式のユーチューブチャンネルで行われている「マルテ先生のスペイン語講座」もファンから好評を博している。
「コロナ禍が明けて、ファンの皆さんが(球場に)来てくれることをしっかり願いながら戦いたい」と虎党へメッセージを送った背番号31。更なる成長と進化に大きな期待が集まる。