今度の外国人捕手は本物か。中日のキューバ出身で育成選手だったアリエル・マルティネス捕手(24)が1日に支配下選手登録されて張り切っている。来日3年目で年俸は1500万円(推定)、背番号は57に決まり「第一目標は達成できた。今後もっともっと努力して、チームの役に立てるようないい選手になりたい」と意気込んでいる。

 中日で外国人捕手といえば2000年に入団したディンゴ(デーブ・ニルソン現オーストラリア代表監督)以来だ。大リーグで6年連続2桁本塁打、通算打率2割8分4厘をマークした大物メジャーリーガーとして鳴り物入りで来日したが、日本人投手に対応できず、わずか18試合の出場にとどまり、打率1割8分、1本塁打で8月に退団。捕手としての出場は1試合のみで、ほとんどが左翼での出場だった。チーム関係者は「ディンゴは完全な見かけ倒しに終わってしまった。日本語も覚えようとしなかったし、打棒もさっぱりで正直、やる気がなかった」と苦い思い出を語る。

 一方、勤勉家としてチーム内でも評判のA・マルティネスは「投手との会話は最低限のことはできるように毎日今までやってきた。それができるようになってきて日本の投手から『いいキャッチングしているね』と言葉をもらえたりしてすごく自信になっている」と胸を張る。

 二軍戦では2試合に出場し7打数4安打、1本塁打、2打点の好結果を残し、捕手でも二盗を阻止。与田監督は「まず打撃であり、日本人投手との捕手としてのコミュニケーション、そういうところが問題ないし、レベルアップしているところが一番。彼の向上心というのものをすごく感じている」と説明。まだ一軍登録はしないが、いずれはスタメンマスクの可能性もあるという。

 二軍首脳陣は「A・マルティネスは本当に真面目でハングリー精神もすごい。右にも長打が打てるし、捕手としてもすごく安定している。とにかく二軍でイチ押しの選手だから早いうちに一軍で使ってほしい。実績だけのディンゴよりも全然いいし、二の舞いにはならないよ」と猛プッシュ。近いうちに一軍の正捕手争いに参戦しそうだ。