投壊ドミノを防げるか――。巨人の守護神ルビー・デラロサ投手(31)が左脇腹肉離れのため、6日に出場選手登録を抹消された。長期遠征直前の離脱は大きな痛手。そもそも開幕直後から先発陣の〝早期降板〟による救援陣の登板過多を懸念されていた。先発陣でも田口が5日に戦線離脱。投手陣全体に暗雲が垂れ込めており、原辰徳監督(61)の手腕が試されている。

 首位を走っていても、気は休まらない。5日の中日戦で緊急降板した抑え投手がまさかの故障離脱。8回を中川、9回をデラロサで締めるという首脳陣の構想は11泊12日の西日本遠征を前に見直しを迫られた。デラロサはここまで6試合に登板し4セーブ、防御率1・80。代役候補には中川が浮上するが、7回の起用法ですら流動的だけにブルペン全体の戦力低下は避けられない状況だ。

 リリーフ陣の負担増は大きな懸案でもあった。開幕から15試合で投入した救援投手は延べ56人で1試合平均3・73人はリーグ最多(2位はヤクルトの3・64人で最少は広島の2・92人)。ワンポイントもこなす高木は9登板でフル稼働となっている。最大の要因は、先発陣が長いイニングを投げ切れずに降板してしまう点だ。7回以上を投げたのはエース菅野の2度と8回まで投げた桜井の計3度。5日はサンチェスが3回途中3失点で降板し、今季最多7人の中継ぎが動員された。

 宮本投手チーフコーチも最長で「3連投」とするなどの負担軽減プランを練っていたが、デラロサ離脱は計算外だったに違いない。先発陣でも、まずますのスタートを切っていた田口が左太ももの張りの影響で5日に抹消されたばかりだ。

 先発がもたず、ブルペンを圧迫する。この傾向は開幕直後から表れていたが、天候の影響をモロに受ける4カード連続の屋外球場も追い打ちをかけかねない。かねてライバル球団からも「一戦必勝とはいえ、先発を早く降ろすからリリーフの負担が相当大きいだろうね。それに巨人は7日(甲子園)から屋外球場続きで、マウンドも雨でどういう状態になるか分からない。今のうちから使い過ぎない方が後々助かると思うけどね」との声も聞かれていた。

 G投に早くも訪れた試練。昨季の原監督は先発が駒不足に陥るとコーチ陣もビックリの桜井を抜てきし、リリーフでは右打者の内角をエグるシュートを武器とするベテラン・大竹をよみがえらせた。

 先発とリリーフが〝共倒れ〟してしまっては元も子もない。熟練指揮官はどんな手綱さばきを見せるのか。今後も目が離せなくなりそうだ。