米スポーツ専門局ESPN(電子版)は11日(日本時間12日)、2021年3月に開催予定の第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が延期されると報じた。新型コロナウイルスの感染拡大の影響でレギュラーシーズン開幕が遅れている中、「現時点で優先事項ではない」と関係者が語ったという。現在の労使協定が21年12月に失効することも理由という。

 それに加え、21年7月には1年延期された東京五輪が控える。出場権を手にしていない米国が出場予定だった3月の米大陸予選、当初の4月から6月に延期された世界最終予選はともに中止された。今季は開幕が遅れる影響で、例年と比べてオフが短くなることは確実。選手の負担を考えれば同一年に2つの国際大会を戦うことは現実的ではないという判断もあるだろう。

 同電子版はWBCのある組織委員が「23年までイベントが開催されることはないだろう」と語ったことも報じている。ニューヨーク・ポスト紙のシャーマン記者は自身のツイッターで「23年3月に延期になる見込み。理事の承認待ちになっている」と伝えた。

 第5回大会は20チームが参加して21年3月9日から23日まで、東京、台湾、米国のアリゾナ州フェニックスとフロリダ州マイアミで開催され、準決勝と決勝はマーリンズの本拠地マーリンズ・パークで行われる予定だ。しかし、3月にアリゾナ州ツーソンで予定されていた大会出場の最後の4枠を争う予選は新型コロナ禍の影響で延期されている。

 17年の前回大会は4度目にして米国が初優勝。MVPに輝いたメッツの右腕ストローマンが3月19日(同20日)に自身のツイッターで「タイトルを防衛する日が待ち遠しい!」と呼び掛けると、ドジャースの主砲ベリンジャーが「取りに行こうぜ!」と応じるなど選手は盛り上がっていた。残念ではあるが、侍ジャパンも仕切り直しだ。