その時、歴史が動いた――。ジャニーズ事務所は17日未明に公式サイトで、12日発売の「週刊文春」で25歳年下女性との不倫が報じられた近藤真彦(56)の無期限芸能活動自粛処分を発表した。まさに“聖域なき処分”に、滝沢秀明副社長(38)の手腕を評価する声、さらにジャニーズ内での求心力が急激に高まっている。マッチがトップ――というジャニーズ内の常識にパラダイムシフトが起きている。

大みそかのNHK紅白歌合戦に、ジャニーズ史上最多に並ぶ7組の出場が決まった晴れの日である16日から日付が17日に変わったころ、ひっそりと発表したのはジャニーズの“長男”に対する配慮なのかもしれない。17日の芸能ニュースは紅白のネタで持ち切りになると見込んだのだろう。

 しかし、発表した文書は強烈だった。近藤に聞き取り調査をしたところ、女性との不倫交際は事実と認めた上で「家庭を持つ一社会人による振る舞いとして大変軽率であり、自覚と責任に欠ける行動であったと弊社といたしましては重く受け止めております。そのため、近藤に対して厳正な処分が必要であると認識し、その内容について慎重に検討いたしておりました」とバッサリ斬り捨てた。

 近藤本人から「一連の出来事に対する責任を取り、芸能活動を自粛したい」と申し出があり、「弊社としましても、最年長である近藤の処分として当然の結論だと受け入れました。これらを踏まえて、弊社といたしましては、近藤真彦を無期限芸能活動自粛処分といたしましたのでご報告申し上げます」とした。

 ジャニーズ所属タレントで最年長のマッチに対しては、いくら綱紀粛正を図っている滝沢副社長といえどもアンタッチャブル――これが大方の見方だった。しかし、結果は違った。近藤本人からの申し入れがあったとはいえ、無期限芸能活動自粛処分を下した。しかもデビュー40周年という節目の年に、だ。

「マッチにまで手を付けたのだから、『本気でジャニーズを改革したい』という滝沢副社長の本気度がうかがえます。ほかのタレントたちの背筋が伸びてピリッとすることは確実だから効果は大きい。ここまでやった滝沢副社長に対しては畏敬の念が強くなっている。一方、最年長として尊敬されていたマッチの権威は失墜。まさにジャニーズ内のパワーバランスが大きく変わった瞬間と言えるでしょう」(芸能プロ関係者)

 また、数多く存在するジャニーズファンの滝沢副社長に対する“支持率”も高まったと言えそうだ。ここ最近のジャニーズは、スキャンダルを起こして処分されたタレントが相次いでいる。そこで近藤だけが“おとがめなし”となれば、不満が爆発しかねない状況だった。そうした中で最高のかじ取りを見せた。

 近藤にとって今年はデビュー40周年の大事な年。だが、このタイミングで無期限芸能活動自粛処分ということは、40周年の活動はもうできなくなった。12月2日にはフジテレビ系音楽番組「2020FNS歌謡祭」第1夜への出演が決まっていたが、これもなくなるとみられる。5年前の35周年の際、同番組に出た時は、ジャニーズの後輩アイドルたちが必死に盛り上げていた。ジャニーズファンは「今回も同じことが繰り返されるのでは?」と心配していたという。

「現役のジャニーズグループのファンにとって、マッチは縁遠い存在。いくら40周年だからといって、自分の応援しているグループ、アイドルたちがそれに付き合わされ、必死にヨイショするのを見るのは決していいものではない。今回の処分でその機会がなくなって、安心していることでしょう」と芸能関係者。

 今後のジャニーズにとって、大きな意味を持つ処分となりそうだ。