終わりの見えないコロナ禍の影響で、来年2月28日に予定されている「第93回米アカデミー賞」授賞式が延期されそうだ。

 米芸能誌「バラエティ」が今週、複数の関係者の話として「正式な提案はまだ出ていないが、その可能性は高い」と伝えた。

 同賞を主催する米映画芸術科学アカデミーのデービッド・ルービン会長は同誌に「授賞式が予定されている時期に映画業界も含めた世の中が、どんな状況にあるのか想像すらできない」と述べた。

 その上で同会長は「もちろん映画の祭典は皆が望むところだが、それがどのような形になるのかまだ分からない」「例年のような授賞式とは異なる形での授賞式も考えている」とも話した。

 アカデミー賞といえば、ハリウッドを代表する女優らがゴージャスにドレスアップした姿を報道陣に披露するレッドカーペットが毎年話題を集めるが、来年は実施できるか流動的だ。

 内部事情に詳しい関係者は、「(授賞式延期について)検討をはじめたというだけで、新たな日程など具体的な話し合いはまだない」としながらも「延期はほぼ確実だ」と言い切った。

 同アカデミーは先月、ロックダウンで映画館の閉鎖が続いているため、アカデミー賞対象作品には一部インターネット配信を含むなどの特別措置を発表している。これまでロサンゼルス郡内の劇場で連続7日間以上公開された映画のみが対象だったが、今年に限りニューヨークやシカゴ、マイアミやアトランタも加える。

 ルービン会長は「映画製作者に多くの同情が寄せられている。我々の仕事は、彼らや映画産業を支援することだ」と述べた。

 そんな中、フランスのカンヌ国際映画祭は今週、今年の映画祭は中止とし、オンライン形式での開催も行わないと発表した。

 主催者は5月中旬に予定されていた同映画祭を「6月か7月に日程を再調整する」としていたが、実施は不可能と判断した。