来年1月19日放送開始のNHK大河ドラマ「麒麟がくる」に出演予定だった沢尻エリカ被告(33)が麻薬取締法違反の疑いで逮捕・起訴(初公判は1月31日)され、代役として白羽の矢が立った女優の川口春奈(24)が、自身の所属事務所とNHKに対して「見返してやる!」と闘志を燃え上がらせているという。その裏にあるのが、事務所の先輩・榮倉奈々(31)の存在だ。実は、まず榮倉に代役オファーが届いたが、調整がつかずに川口にお鉢が…。こんな裏事情が女優魂に火をつけた――。

 すでに10話分が撮影済みだった「麒麟がくる」だが、沢尻被告の逮捕で川口を代役にして急きょ撮り直し。その影響で、放送開始を来年1月5日から同19日に延期する異例の事態となったのは本紙既報の通り。沢尻被告の代役を務める川口が演じるのは、主人公・明智光秀の主君・織田信長の正妻・帰蝶(濃姫)。第1話から登場する重要な役どころだ。

 川口にとっては、大河が時代劇初挑戦。NHKからのオファー受諾後、2週間余りで時代劇の所作を身に付け、12月初旬に撮影に合流した。

「時代劇特有のセリフ回しに加え、美濃地方の当時の方言を体得するのは難しい。沢尻が数か月かけたところを川口は10分の1ほどの期間でマスターしなければいけなかったことになる。非常に重圧がかかる撮影現場でも、弱音を吐かず前向きで、物覚えの良さも絶賛されている。さすがに沢尻と同じ出演シーンは難しいため、違和感がない程度に減らして対処もしている」(NHK関係者)

 それでも薬物事件で逮捕された沢尻の代役という意味でも注目を浴びるのは必至。しかも、昨今の大河ドラマは低視聴率にあえぎ、最終回を迎えた「いだてん~東京オリムピック噺~」は、一時期ワースト視聴率更新ばかりが報じられた。

 そんな中での代役だ。今後の女優人生を左右しかねない状況で川口は、周囲が驚くほど燃えている。いや、それどころか、NHKと事務所に対してなぜか「見返してやる!」と闘志をムキ出しにしているというのだ。

「沢尻被告の代役オファーは、数人の女優に出されたがみんな断られた。結局、最終的に受諾したのが川口だった。それだけじゃない。実はNHKは同じ事務所の先輩で朝ドラヒロイン経験者の榮倉奈々にオファーしていたんだ。でも、まだ子供が小さく、事務所サイドも『榮倉は難しいが、川口なら大丈夫』とのスタンスだった」(芸能プロ関係者)

 つまり、川口は榮倉の“代役”でもあったわけだ。そんな複雑な事情を承知の上で、初めての時代劇に挑んでいるだけに、川口が「見返してやる!」と燃えているのも当然だろう。

 これまでの川口といえば、2013年に初のゴールデン枠での主演ドラマ「夫のカノジョ」(TBS系)が視聴率低迷で第8話で打ち切りに。ネット上では「低視聴率女優」とのうれしくないレッテルを貼られ、一時期は所属事務所から「ネット閲覧禁止令」を出されたほどだった。

 今は立ち直っているとはいえ、そんな暗い過去を払拭するためにも、今回の大河チャンスをモノにするしかない、と勝負に出ているのだろう。

「事務所『研音』の後輩で年下の杉咲花は、来年秋から放送が始まる朝ドラ『おちょやん』でヒロインに抜てき。研音は事務所内の競争の厳しさで知られるだけに、川口も事務所内の地位でも巻き返したい気持ちは強いでしょう。格闘家・矢地祐介と自身初めての熱愛をスクープされましたが、精神的な支えになっているようで破局させられるなどはなさそう。公私ともに重要なタイミングともいえる」(前同)

 代役決定後、撮影の様子が報じられるたびにネット上は「頑張れ!」など好意的な声が噴出。かつてあったバッシングはほとんど見られない。

 昨今のNHKと研音との蜜月関係を考えれば、崖っ縁だった大河を救った川口が、将来的に朝ドラ・ヒロインなど大役に抜てきされることも大いにあり得る。

 まずは自身が全力を注ぐ大河で演技力を見せつけられれば…川口の大逆襲が始まりそうだ。