アリスフィルムコレクション最新作「忘れられた神様」のプレミアム上映会がこのほど、東京・秋葉原で行われ、山本あこ(16=スリジエ)、半海一晃(61)、青葉桃花(スリジエ)、野崎ゆりか(同)、女優・桜のどか(元仮面女子リーダー)、小林桃子、俳優・松木威人、矢口鉄太郎監が上映前に舞台あいさつを行った。

 同作は、学校でのいじめが原因で不登校になった由香里(山本)と神様を名乗る男・白山(半海)の奇妙な出会いが生んだ少女の成長を描いている。

 山本は“神様”との共演について「いつもテレビに出ている人だから、同じスクリーンの中に写れたのがうれしかった」とニッコリ。撮影時のエピソードを聞かれと「 お弁当の取り合いのシーンはアドリブだったんです。(私は)演技経験が少なく、どうすればいいか迷ったんですけど、半海さんがどんどん進んで演じてくださった。私が何をやっても返してくださるので、それで開けたというか、演じるってこういうことなのかが分かった」と大先輩に感謝した。

 半海は山本の演技経験の少なさを聞き「驚いちゃうよね」。撮影時に集中力の高さを感じたそうで「いい女優さんに共通したものだけど、大きな空気をまとっているのが印象的。何かいろいろ考えながら、大事にしているものがあるんだろうな。そのことの強さっていうのが、女優さんの特性」とコメント。アドバイスを求められると「いやいや。人の性別は男と女と女優の3種類だから。女優さんは誰かのサジェスチョンを受けるんじゃなく、最初からそうなんだと思います」と評した。

 新人と大ベテランの掛け合いは予想外の“化学反応”を起こしたようで、矢口鉄太郎監督は「面白すぎて、カットのしどころが見えなくなるぐらいだった。僕とかスタッフが笑ってしまって何回も撮り直しした」と手応えを感じたという。

 姉の美樹を演じた青葉桃花(24)は、「普段はポケ~ッとしているけど、現場ではオーラがあって女優なんだなと感じた」と年下メンバーを持ち上げた。ケンカのシーンでは感情が入りすぎて大泣きしたとか。山本は「実際に泣かれて焦った。普段は抜けているところがたくさんあるから、お姉ちゃんというより、あこが面倒を見ている。珍しい一面が見られました」とニッコリ。

 共演者から女優としての資質をたたえられた山本だが、矢口監督は「驚いたのは、あこちゃんがお皿を洗えないことが分かったこと」と暴露。山本は「お家で家事をすることがなかった。コップの洗い方も分からないんです。いまの寮生活ではお弁当が多くて容器を捨てるだけだから」と改めて“大物らしさ”を告白し、笑わせた。