元「モーニング娘。」でタレントの市井紗耶香(36)が、芸能事務所アルカンシェル(以下、ア社)からマネジメント契約を“スピード解約”されたことが、波紋を呼んでいる。その裏側を追跡すると、市井がア社との契約解除交渉でサポートを依頼したのが、立憲民主党の顧問弁護士だったことがわかった。立民とのパイプは周囲が想像する以上に強固だったようで、市井が芸能界より政界を選択し、再び立民から出馬することは間違いなさそうだ。

 市井は2000年にモー娘を卒業後、所属事務所を転々としたり、一時芸能界を引退したりと、その活動は流動的なものだった。

 近年は個人事務所エスダブルの代表を自ら務め、タレント業を展開。昨年7月には政界進出に挑戦し、参院選で立民から出馬して4児のママとして子育て環境の改善を訴えたが、惜しくも比例代表の次点で落選したのは周知の通りだ。

 その後、芸能活動の再開を模索。同10月には本紙取材では「誰か(芸能事務所など)の力に甘えたい部分もあります」と本音をのぞかせていた。

 思いはかない、翌11月からア社とマネジメントの業務提携を結び、芸能界に復帰。同社は、モー娘OGでタレントの加護亜依がかつて所属した事務所だ。

 しかし、事態は急転する。業務提携はわずか3か月で解消。ア社の代表・中野尚美氏は今月6日、自身のブログで「短い契約期間でしたので語らずともご理解頂けると存じます」などと、市井とア社の間で、何らかの問題が起きたことをにじませた。

 芸能史でも類を見ない“スピード解約”。この舞台裏を追跡すると、市井が業務提携していたのは、ア社ではなく実質的に立民だった実態が見えてきた。

 ある関係者が市井に仕事のオファーをするためア社に打診した。するとア社側から「市井さんがスケジュールを開示してくれなくて…」と困り果てた返答があったという。市井はア社に自身の予定を伝えていなかったということ。これでは業務提携という状態とは程遠い。

 その一方で、立民とのパイプは堅持していた。

 永田町関係者の話。

「昨年7月に落選した後も、市井氏は立民側と連絡を取っていた。今年1月ごろ、ア社から業務提携の解消を告げられると、その交渉の窓口を立民の顧問弁護士に一任したと聞く」

 市井、ア社双方の代理人弁護士が業務提携の契約解除交渉を重ね、今月5日付で成立した。となると、そもそも市井はなぜア社と業務提携を結んだのか疑問が残る。

 知人は「市井さんは事務所を転々としたことがあるように、事務所との契約ごとに少々抜けた面があるみたい」と指摘。今回の騒ぎにモー娘同期のタレント矢口真里や保田圭、かつてア社に所属していた加護らグループのOGたちも首をかしげているという。

 今後も1人でタレント業を続けるとはいうものの、どうやら軸足は政界を向いていると見てよさそう。立民候補として政界に再挑戦するXデーに向けて準備を進めていくとみられる。