宝塚歌劇団の「再休演」決断が、エンターテインメント業界に波紋を広げている。9日から再開していた公演を、11日に再び休演すると公式サイトで発表した。

 東京宝塚劇場の公演は12日から、宝塚大劇場(兵庫県宝塚市)の公演は13日から、いずれも19日まで休演する。文化イベントの自粛期間延長を要請した「新型コロナウイルス感染症対策本部の政府方針」(10日)が理由だとしている。

 先月26日の政府からのイベント自粛要請を受けて、宝塚は29日から8日まで公演を休止。9日から再開していた。その際、サーモグラフィーによる検温、客席の換気強化、塩素系薬剤による清掃強化など様々な対策を取っていたが「時期尚早!」という声があったのも事実。その一方で、エンタメ業界からは宝塚に期待する関係者も多かった。

 再開からわずか2日で休止発表となったことに、音楽業界関係者は「影響はものすごく大きいですよ。宝塚のような大きな組織が再休演に追い込まれたことで、自粛ムードがより一層、厳しくなってしまうことがとても怖い。小さいところは特にそうですよね」。

 政府要請により、ほとんどのライブ、イベントが中止・延期に追い込まれた。それがさらに延長となったことで、倒産連鎖の危機がより強まったからだ。

 イベント関係者は「もちろん新型コロナウイルスの感染拡大は望んでいません。ただその一方で、このまま自粛が続くと会社の経営、生活が立ち行かなくなる。宝塚が頑張って公演を続けてくれれば、我々も再開しやすかったのですが、再休演ということでますます難しくなった」と悲痛な表情を浮かべた。

 現時点で自粛がいつまで続くか分からないだけに、あちこちから不安の声が出ている。