22日、さいたまスーパーアリーナで開催された立ち技格闘技イベント「K―1」の年間最大イベント「K’FESTA.3」で解説を務めたタレントの長嶋一茂(54)が23日、コメンテーターを務めるTBS系朝の情報番組「あさチャン!」に出演。「コメントに困る」と複雑な立場であると話した。

 番組では大野元裕埼玉県知事(56)が会場を視察し「(開催について)残念ではある」と話したことや、強行開催に批判の声が出たことを報じた。司会の夏目三久アナウンサー(35)に会場の様子を聞かれた一茂は「マスクは全員着用していたし、すごく盛り上がり大声を出すイベントではあるので、静かにというか自粛しながら見ていたって感じですかね。私も行っている以上、どう言っていいのかコメントに困る。選手たちはやりたかったっていうのもあると思うし、すごくいい試合をしていて、元気をもらったっていうのは僕の中ではありますね」と振り返った。それでも「ただ、こういう時期だったので埼玉県知事のあの行動は正しいことだと思います」と大野知事の行動に理解を示した。続けて「要請なのか強制なのか。日本の場合、自分たちの認識に任せる自粛がいい半面、あいまいなところもあるんじゃないかなという気がします」と私見を述べた。

 会場では入り口でのマスク配布や手洗い、うがいの励行、消毒液設置、サーモグラフィーでの検温や加湿器と次亜塩素酸を使った空間除菌などの対策を実施した。番組に出演した国際医療福祉大学の松本哲哉教授は「自粛を緩めてしまうと、感染者は間違いなく増える」とコメント。K―1について「工夫されていましたが、残念ながら、屋内でありますし、換気がどこまで十分に行われるか分からない。制限したとしても人と人が近い距離にいた。大声で応援された方も多いと思いますので、(クラスター発生の)条件自体は揃っているわけです」と指摘。「残念ながら、こういうイベントは一気に感染者を増やしてしまいますので、しばらくは控えていただいたほうがありがたいと思います」と大規模イベント自粛の必要性を強調した。

 番組で“強行開催の危険”と報じた後に話を振られた一茂は「ストレスがたまっているのはK―1の関係者だけではなくて、全国民的にたまっている。痛みを分かち合わないといけない。先生がおっしゃるように自粛の方向というのは分かりますけど、自分の立場として仕事で呼ばれた以上、(主催者に)自粛しろって言いにいった方がいいのかな?」と複雑な表情で話した。