新型コロナウイルスに感染したタレント・志村けん(70)の闘病が続いている。

 今月23日に陽性と診断された志村は重度の肺炎を発症し、24日に東京・新宿区の病院に転院。人工心肺装置を使い、24時間態勢で治療が続けられている。

「人工心肺装置は誰でも扱えるわけではない。いまは専門医がチームを組み、心拍数や血圧などをチェックしながら、細心の注意を払って治療に当たっている」(関係者)

 容体が予想以上に深刻であることは本紙昨報通り。幸いにも転院先とみられる病院は日本有数の大病院で、最先端の医療が受けられる。

 新型コロナに対する抗ウイルス薬は今のところ存在しないが、同病院では医師主導で未承認薬の治験を開始している。

 なかでも、コロナ治療の光明となりそうなのが、米ギリアド・サイエンシズ社の抗ウイルス薬「レムデシビル」だ。もともとはエボラ出血熱の治療薬として開発されたものだが、新型コロナウイルスでも抗ウイルス活性が示されているという。

「人工心肺装置はあくまで肺の代わりを担うだけにすぎない。コロナウイルスに勝つには、本人の免疫力や回復力が鍵になる。志村さんにレムデシビルが投与されるかは分からないが、治験という形でも未承認の薬を使える環境にあることは、何もないよりはマシだと思う」とは医療関係者。

 志村は26日、初主演映画「キネマの神様」(山田洋次監督)の出演辞退を発表。今月クランクインし、志村は4月上旬から撮影を開始する予定だったが、闘病に専念するため降板を決断した。

 所属事務所「イザワオフィス」の井澤健社長は文書で「今年70歳を迎えた志村にとって、本作品は人生で初の主演映画ということもあり、大きな勇気と強い意気込みで臨んでいました。(中略)志村が病に勝ち、いつかまた山田組の皆様と一緒に撮影をさせていただくことを願っております」とコメント。日本中が志村の帰りを待ち望んでいる。