【コロナに負けるな!有名人の緊急事態宣言】新型コロナウイルス感染拡大による自粛ムードは各方面に影響をおよぼしているが、中でも深刻なのはお笑い芸人だ。テレビのバラエティー番組の収録はほぼストップ。お客さんを集めるライブやイベントは全く開けない状況にある。そんな苦境にある芸人はいま何ができるのか? 本紙で「女芸人馬鹿売れ前夜」(隔週火曜掲載)を連載中のお笑いコンビ「馬鹿よ貴方は」新道竜巳(43)に話を聞いたところ「いまの状況に一番強いのは宮迫博之さんかも」と意外な答えが返ってきた。

 いまはお笑いのライブも全く行われてません。僕が最後に出たライブは2月25日のインディーズライブ。3月以降は事務所のライブもないので、それ以降、相方の平井“ファラオ”光とは、テレビ番組の打ち合わせで1回会っただけ。もっともその番組自体、収録がなくなったようで連絡も全くないですけど。

 ライブがないから、ほかの芸人と会うこともほとんどない。みんな何してるのか全く分からない。いまの状況で会ってもマイナスの話しか出ないから、会わない方がいいんじゃないですか? 居酒屋とかカラオケ屋でバイトする芸人が多いけど、店自体が閉まっているからそれもなくなっている。いい話は全く聞かないです。

 芸人を辞めたという話も聞かないですね。こんな状況だと辞めたところで仕事もないし、辞めることもできないんじゃないですか? 辞めたところでどうすんのって話。コロナに感染する前に、餓死しかねないですよ。

 芸人では、大御所の志村けんさんが亡くなったほか、森三中の黒沢かずこさん、たんぽぽの白鳥久美子さんなどが感染しました。ただ知名度がある芸人さんならネットニュースになるけど、売れてない芸人は、感染してもニュースにすらならない人もいるんじゃないですかね? もちろん、感染した芸人を知ってるわけではないですが。

 すいません、「コロナに負けるな!」って企画の取材なのに、暗い話ばかりになってしまいました。でもこの状況、いつ終わるか分からない。ヘタしたら2年くらい続くんじゃないかと。それくらいライブはできないと思ってやるしかない。

 ライブはできない、外出も自粛、そういう中で芸人ができることは、やっぱりSNSを利用して発信するしかない。考えてみたらコロナの問題が起きなくても近い将来、芸人はそういう活動にシフトしていく必要があったと思います。やっぱりテレビに出られる芸人は限られているし、徐々にネットの方が見られる時代が来てますから。

 でもコロナの騒動が起きたからやる、といった安易な気持ちでネットに参入しても厳しいでしょう。僕は騒動の前からユーチューブで「新道竜巳のごみラジオ」という番組を配信してますが、黒字にするのは大変。それこそキングコングの梶原雄太さんとか、騒動前から利益を上げてる人はすごい。勝てないです。

 ひょっとしたらこの時代、一番強いのは宮迫さんかも(笑い)。闇営業騒動でテレビに出られなくなったけど、いまはバラエティーの収録自体がほとんどないから、いち早くユーチューバーになって正解だったかも。もう利益を事務所と分けなくてもいいわけだし。

 ネットでやるなら何が自分に合っているか、どう表現していくか、研究しないとすぐに淘汰される。僕はnoteに自分の文章をアップしたりしてます。SHOWROOMなどでは、アーティストがライブ配信して投げ銭をもらうというシステムもある。今後は芸人がネタを配信して課金してもらう、というのが主流になるかもしれない。いま芸人がやれることは、こういうことですかね?

 僕のユーチューブで一度、減収世帯への30万円の給付金をもらえるか、という電話をしたんです。後で一律10万円に政策が変わりましたが。そしたら「芸人は自営業になるんじゃないか」と言われて、中小企業相談窓口の連絡先を教えてくれた。それで30分以上かけ続けましたが、全くつながりませんでした(笑い)。