好評のまま完走したが内心はヒヤヒヤだった?

 4月18日から今月3日まで、TBS系で再放送された俳優・大沢たかお主演のドラマ「JIN―仁―」の全6回の視聴率がすべて2ケタだったことが7日、発表された。

 初回の4月18日に11・6%をマーク。今月2日は10・6%、最終回の同3日は11・3%だった。

 普段なら高視聴率は見込めない土日の午後2時からの3時間枠で計6回放送されたが、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言下で在宅率がアップしたのが追い風になったとみられる。

 TBS関係者は「あの時間帯で10%超なら、ゴールデンタイムでは20%の価値はあったのでは」とちょっぴり誇らしげ。ただ、意外にも局内ではネット炎上を不安視する声があったという。

「特に、江戸の町で『コロリ』という名の伝染病がはやって医療崩壊の危機に陥ったシーンは、新型コロナによる医療崩壊の危機を連想させる。そのため再放送が決まった時には、局内で『このご時世で不謹慎では?』と懐疑的な意見もあったんです」(同関係者)

 確かに言われてみればコロナとコロリ、響きがそっくり。とはいえ、少し考えすぎのような気もするが、現代では何がネットで炎上するか予測しづらい面があり、テレビ各局はかなりナーバスになっている。

「『第2のNHK』と言われるほど堅いイメージのあったTBSでは、コロナ禍でネット炎上するかもしれない『仁』を再放送するのは、数年前ならあり得なかった。でも、局は近年、20~50代の視聴者層をより重視した編成を組むようになり、『仁』の再放送も“攻めたな”という印象がありました」(同)

 結果的には、大沢や綾瀬はるかをはじめとするキャスト陣の熱演に視聴者がくぎ付けになり、ネット上でも好評。TBSはホッと胸をなで下ろしているという。(視聴率は関東地区、ビデオリサーチ調べ)